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(2) 海上運賃

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(3) 貨物金利損失

外貿貨物は通常、貨物の損傷・貨物の喪失・貨物の遅滞等のリスクに対して保険が掛けられる。ここでは、そのリスクは貨物が港湾に到着してから相手荷主に渡るまでの時間によって決まるものとし、これを貨物の価値ごとの平均金利損失として取り扱う。貨物に対して発生する金利損失は以下の2種類が考えられる。

一つは貨物が港湾に運ばれてから荷役されるまでの待ち時間に対して発生する金利(船待ち貨物金利)、もう一つは貨物の海上輸送時間に対して発生する金利(海上貨物金利)である。金利の考え方は以下によっている。

すなわち、貿易取引で最も多く用いられている貿易条件であるFOB(Free On Board:貨物の所有権は輸出港湾での船舶積み込みと同時に売り手から買い手に移動する契約システム)とCIF(Cost Insurance Freight:相手港での貨物受け渡し時に貨物の所有権が買い手に移動する契約システム)である。現状においては、日本ではFOBが採用され、外国ではCIFが採用されている。したがって、このような契約習慣に基づいて、日本国内荷主のみを考えるときは輸出貨物に関しては船待ち金利を、輸入貨物では貨物金利を考えればよいが、本研究においては国内の荷主と海外の荷主をまとめてひとつの荷主と考えてモデル化を行っている。そのため、所有権の移転が何処で発生しようとも、どこかの荷主が発生する貨物金利を負担していることになる。 したがって、ここでは全ての貨物について船待ち金利と海上貨物金利の両方を考える必要がある。

 

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