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代表的な方法が、前述の国際調達拠点を通じた物流の効率化である。船社のなかには国際調達拠点に対応した物流サービスを提供しているものもある。マルチカントリーコンソリデーション(MCC)は、周辺国からの調達貨物を台湾に集約し、コンテナ単位に集約してから輸送するサービスである。またリワークは、台湾国内の混載貨物をCFSに集約してからコンテナ単位に集約して輸送するサービスである。MCC、リワークともに高雄港を拠点としたサービスが提供されている。

高雄に「ジャパン・インポート・センター」を設け、日本の地方港向けに貨物を輸送するサービスも現れた。日本の地方港に直接コンテナを卸すことで、日本のハブ港から消費地までの国内転送費を削減して、低コストサービスを提供しようという狙いである。高雄港をハブとして日本の地方港へフィーダー輸送しており、日本のハブ港湾の空洞化を象徴するサービスである。

 

《参考文献》

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高雄港務局『高雄港埠頭作業民営化及び埠頭労働者雇用制度合理化案の推進過程報告資料』1997年1月

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