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光陽ターミナルは1997年に第1期が完成し1998年から供用された。3船社が寄港体制をとったが、釜山と光陽の間は洋上で7時間を要し、光陽寄港を行うと航海日数が1日増加してしまう。この航海日数の1日というのは船社にとっては死活問題となった。

このような情況の中で実施された戡湾ターミナルの拡張2バースと光陽第2期(4バース)をパッケージとした入札では、1バッチをDongbu Expressが落札したほかは不調に終わっている。

光陽ターミナル開発自体の意義と新たなターミナル間競争に関しては以下のコメントをえた。

・ 国土東西の(産業やインフラの)再配置の中での光陽の役割には興味をもっている(KEC)。

・ 中国華北や台湾などとの関係から、釜山よりもこれらに近い立地の港湾という位置付けもあるが、船社の寄港地選択の基準が別なところにあることが問題である(MOMAFほか)。

・ ターミナルの新設が相次いでいることで、ターミナル間競争が激しくなっているが、光陽は立地が悪く、他のターミナルと競争になっていない。しかし釜山新港(加徳島)を含めた将来の船社の寄港地選択については流動的である(BCTOC)。

・ 各港が最良のサービスで競争することが課題であり、その促進が政府の責務である(MOMAF)。

 

(4) 加徳島(カドクド)開発

長期港湾計画策定時点では光陽ターミナルを含めても韓国のコンテナ貨物増加に対応するには設備の大幅な不足が予想され、この解決の切札とされたのが加徳島コンテナターミナルである。加徳島は釜山の南西に位置する島であり、同島と本土との間を埋め立てる形態でターミナル建設が行われる。プロジェクトは、防波堤、鉄道、コンテナヤード、CFSなどの施設からなり、一般貨物とコンテナの両方の取扱が行われることになっている。年間取扱キャパシティーは460万TEU(9,000万t)と計画されている。これによって釜山地区のコンテナターミナルは30バース、年間取扱能力700万TEUとなることが目指された。

本計画は、光陽の開港直前に選挙公約の関係で発表された。本港が開港すれば、釜山、光陽に加えて3港体制となるが、すでに三星物産系倉庫会社と韓進、現代などを含めた27社による合弁会社が設立されており、 建設はこれらによるコンセッション方式で 行われる。防波堤などは政府本体、その他一部施設はKCTAによるなどの投資分担が行われることになっている。

総工費は6兆1,800万ウォンであり、うち民間セクターが4兆9,400万ウォンを負担することが計画されている。2011年の完工が目指されており、KCTAの投資比率は9%(9,560億ウォン中860億ウォン)である。

 

(5) 民活方式の制度化

1) 社会的間接資本投資民間資金促進(SOC)法

韓国においては日本のPFI法に相当する社会的間接資本投資民間資金促進(SOC)法が1994年に制定された。

 

 

 

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