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(3) ターミナル開発債の発行

韓国コンテナ埠頭公団(KCTA)は、戡湾(カンマン)と光陽(クァンヤン)両ターミナルの建設時に、専用借受者に債権を購入させ、この引受額を中心に借受者を決定する方法をとった。このターミナル開発債は工事期間中の5年間据え置き後、10年間利払いとバースの専用利用権が与えられる15年物である。リース期間終了後には債権は償還され、5〜15年目まで年率6%の利回りが約束されている。10年の期間は形式的には5年の1回更新であり、更新を行うことが前提となっている。ただし5年間経過後の転売は可能である。当該契約と開発債の発行は1993年に行われた。

開発債購入の条件として、他に年間20万TEUのコンテナを取り扱うことが規定され、リース料もこの取扱量をベースに算定されている。取扱量が20万TEUを超過した場合には、KCTAとターミナルオペレーターとの間で収入配分を行うことになっており、詳細については1998年末に議論が始まったところとのことである。なお戡湾と光陽の2ターミナルについて、ターミナル・オペレーター4社はKCTAと同一の契約を締結している。

戡湾および光陽第1期工事では外国企業に応札権がなかったが、次期プロジェクトになる光陽第2期工事では外国企業への解放が行われる。この外資解放のために特段の法律改正の必要はなく、MOMAFの許可手続きのみの問題とのことである。現状では戡湾ターミナルでのZIMラインとOOCLのケースのように、外資には自社船利用のための借受のみ許されている。このため自社船のスケジュール改善につながるケースでしか外資導入が行われていない。

戡湾ターミナルでは、ターミナル・オペレーター1社(またはコンソーシァム)あたり500億ウォン、4社合計で2,000億ウォンが、韓国コンテナ埠頭公団法(KCTA法)に基づくターミナル開発債によって資金調達された。戡湾と光陽を合計した建設費は8,000億ウォン(当初計画で6,206億ウォン)であり、差額の6,000億ウォンが他の方法で資金調達された。資金循環表のレベルで、総費用に占めるターミナル開発債のシェアは約30%が目安となっている(図表II-1-3参照)。

 

図表II-1-3 韓国コンテナ埠頭公団(KCTA)の資金循環表(1996年度実績)

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出所:KCTA(1997)より作成

 

 

 

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