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(1) 塩釜港仙台港区の背景

宮城県は、重要港湾として塩釜港(塩釜港区および仙台港区)と石巻港の2港、および地方港として気仙沼港、松島港を含む8港を有している。塩釜港仙台港区は、昭和26年に重要港湾に指定された。所在市町村は仙台市、多賀城市、および七ヶ浜町で、港湾管理者は宮城県である。

仙台港区は、昭和39年3月に新産業都市「仙台港地区」に指定された。同年、港湾審議会で港湾計画が策定され、昭和42年12月から臨海型工業の拠点として港湾建設が始められた。その後、流通港湾としての必要性も高まり、昭和44年に商港埠頭の建設が港湾審議会で決定され昭和46年7月に開港した。

平成6年3月に、現在、コンテナ・ターミナルがある高砂1号埠頭が完成し、翌平成7年7月に運輸省の長期港湾政策において、仙台港区を含む仙台港地域が東東北地域の中核国際港湾(全国8地域)の一つとして位置づけられた。平成7年7月には、PIL(Pacific International Lines)による東南アジア航路が開設した。平成8年には高砂コンテナ・ターミナルが完成し、同年3月よりエバーグリーン社が北米/日本・アジア/地中海コンテナ定期航路を開設している。平成9年より日本郵船、ハパッグロイド、P&Oネッドロイド、OOCLによる4社共同配船で、日本/北米西岸コンテナ定期航路が開設された。平成10年からは、横浜大黒コンテナ・ターミナル〜仙台港間に週2便の内航フィーダー・コンテナ船が就航している。

おもな係留施設としては、公共埠頭が20バース(-4.5m〜-12m)、フェリー埠頭2バース、および専用埠頭が21バースあり、東北石油、トーアスチール、エヌケーケー物流、川崎製鉄、新日本製鉄、花王、大和製缶、東北電力、仙台市ガスが専用バースを保有している。

今後の港湾整備計画として、平成10年完成予定の向洋地区に建設している埠頭(平成8年港湾計画改定)がある。現在は、向洋埠頭1号のみ稼動し石炭や木材を荷役している。さらに、港湾計画に基づき大水深外貿コンテナ・ターミナル岸壁(-15m)を2バース建設する予定である。

 

(2) 海上出入貨物の概要

平成10年度において、塩釜港の入港船舶総トン数は外航が全国で第29位、内航は第25位、合計では第24位に位置する。平成9年の数値でみると年間取扱量の23%が外貿、77%が内貿となっている。同年の出入貨物を品目別にみると、輸出は約31万トンで、ゴム製品30%、重油18%、機械・非金属鉱物・鉄鋼等である。輸入は約73万トンで、原油が60%、石油製品が16%、原木・石炭・麦等である。移出は約1,089万トンで、輸送機械63%(うちフェリー49%)、石油製品13%、重油・紙・パルプとなっている。移入は約1,459万トンで、輸送機械67%(うちフェリー39%)、鉄鋼、セメント、紙・パルプなどである。

 

 

 

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