日本財団 図書館


縦曲りが、端部(バット寄り)で急にキツクなる板では、部分的に縦曲型を作って支給する。[図3.1.11 タテ曲型]に示すように、当縁を削り合せとせず、断続した「角出(つのだ)し」とすると作成が簡単になる。角出し型は、マーキン型の「当り付け」に相当し、Fc.PLなどの緩やかで撓みやすい部材の面外曲げにも適用している。

Fc. PLやFB.では、両端の取り合いから、平捩となる部材がある。特にダブルハルのサイドロンジでは、ランディング如何によっては、インナーとアウターのフランジトップを結ぶFB.に軒並みに発生する。この曲型には[図3.1.12 まな板型]に示すような台所の「まな板」に似た型が使われる。その両方の歯に相当する端部の捩じれが精度上大事だからである。この歯を対称に差替えるようにすれば、P/S部材に兼用できる。

 

075-1.gif

図3.1.11 タテ曲型

 

075-2.gif

図3.1.12 まな板型

 

外板肋骨の曲げがキツイ場合に、撓鉄定盤にジャッキ止めして、焼きながら水圧シリンダーで押して曲げる工作法がある。このとき定盤に曲げ形状をあらかじめマーキンしておくが、この定盤マーキン用に[図3.1.13 バッテン型]が作られる。枝節のない木目の通った杉板引き割りを、バッテンのように現図床に止め、木型に組み込むので、この名がある。型は、床から外したときのパッテンの反発力に耐えるように、充分に筋交いをいれて固めておく。

 

075-3.gif

図3.1.13 バッテン型

 

船首尾端外板のように、複雑で急激な曲面部分の曲げ加工には、箱型を立体的に組み立てる。[図3.1.14 箱型作成要領]に示すように、型の当り縁に倣い開先のような板割り作業が発生しないよう計画的に型板逃しに留意し、粗曲型作成も織り込んで、両舷を作成する。[写真3.1.2 箱型]は、その一例である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION