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[図2.1.8 端伸し形状]参照。図例は、Fc.付ビルトアップフレームの端部で、これを足首になぞらえると、足裏全体で(フレームの収縮対応)+3、そこで踵は+3のままだが、爪先では更に(Fc.溶接での変形対応)+2して計+5、端伸しにする。一般には+α辺平行伸しなので、図のような傾斜伸しを区別して「テーパー伸し」と呼ぶこともある。

図での、正規現図形状は「正」・爪先端10・「A」、端伸し形状は「正」が「伸」に置き変わるのが、通例。すると爪先端が15となり設計指示(または構造詳細標準)に矛盾する。このような場合は「A」を「B」に補正している。

なお、このように変形収縮量を部材端に皺寄せせず、部材全体に按分するのを、鋳物型の呼び方に倣って「延べ尺」と区別している。

上記図例「B」の扱い方は「延べ尺」の考え方に近い。このように手作業作画現図でも適用できないことはないが、数値現図で一般化されたものなので、本書では末尾に紹介することにしたい。

 

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図2.1.8 端伸し形状

 

演習題:-

1)端伸し量+αを型定規に表示するか? また部材にマーキンすべきか?

2)端伸し端部のコーナースカラップのR心は、どこか?

「端伸し」であれ「延べ尺」であれ「伸し仕上げ」一般は、伸し位置が「仕上がり形状」である。

部材端の切断は、最初の取材工程の切断定盤上で、仕上がり形状で行われるのが原則である。理由は:-

作業効率:自動・半自動切断機を駆使する切断作業が集中して行える。

加工精度:切断材が水平に保たれ、精度を出せる切断機が使える。

からである。

この原則通りを、区別する必要がある時には、「内業仕上げ(略称:内仕またはF仕、ファブリケーションのFである)」と呼ぶことがある。

だが例外として、内仕とできない部材端があり、この部分は後の工程で仕上切される。この部分に必要な余裕を残して切るのを、仕上切に対して「粗切」と呼ぶ。「荒切」としてもよい。そして、この場合の後工程仕上げ切りの位置は、「予定線」と呼んで区別している。表示例を[図2.1.9 荒切と予定線]に示す。

 

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図2.1.9 荒切と予定線

 

 

 

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