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6. スラッジ及び固形物の焼却

ボルカノ株式会社

開発部  日高 啓次郎

 

1. 目的

船内で発生する廃棄物(廃油、含油スラッジ、固形物)の焼却装置には、現在いろいろな方式が使われているが、完全燃焼と省人・省エネの観点から、その改善が望まれている。とくに、排出スラッジはますます低質化傾向にあり、今後その処理が一層困難になると予想される。このため、人手を要せず、小型の船舶にも使用可能な小型で簡易であり、そして安価な、またその他の固形廃棄物をも含めて、船内で完全焼却できる総合処理装置の開発は重要な課題である。さらに焼却効率の向上、省エネも大きな課題になっている。

上記課題に対処するものとして、自動攪拌装置を使用した焼却装置開発のための基礎研究を行い、2000年から適用される予定の舶用焼却炉における国際海事機関(以下IMOとする)(MARPOL73/78付属書V)基準対応製品の開発及び固形物焼却に要する運転の省力化をはかることを目的とする。

 

2. 実施内容

 

2-1. 実施項目

実験項目を下記に示す。

(1) 既存の固形物焼却技術の調査研究

固形物焼却の自動化と完全焼却のための自動攪拌機能を持つ焼却炉の調査を行った。

(2) 自動攪拌装置付焼却炉の設計

将来望まれる舶用仕様の自動攪拌装置付焼却炉の設計、試作を行った。試作炉仕様は、IMO(MARPOL73/78付属書V)基準に対応した設計とした。

(3) 試作炉による燃焼試験

廃油及びA重油による燃焼試験、固形物、スラッジの焼却試験を行い、試作炉設計の妥当性、及び性能を確認した。

 

 

 

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