5. 超臨界水酸化分解の船舶廃水処理への適用
三菱化工機株式会社
研究開発部技術G 内山 賢彦
1. 調査研究の目的
世界的な環境保全の意識の高まりとともに、将来船舶からの廃棄物排出についても十分な配慮が必要となると考えられる。現在、船舶で発生するビルジ排水や屎尿などの汚水は処理された後排出されているが、海洋保全の見地から将来的にはより高度な処理が望まれる。近年、超臨界水酸化分解(以下SCWO:Superqritical Water OXidation)によって有機物をほぼ完全に水と二酸化炭素に分解できることが明らかにされており、有機物含有廃水の新しい処理法としての適用が期待される。本調査研究ではSCWOの船舶廃水処理法としての適用性の調査を目的とし、SCWO実験装置にて船舶廃水の処理実験を実施し、実規模装置での処理コスト等の検討を行うことを目的とする。
2. 実施内容
実施概要は以下のとおりである。上記項目について実施経過を図1に示す。
1] 船舶廃水、SCWOの調査
2] 実験装置設計・試作
3] 処理実験・分析
4] データ解析・適用性評価
船舶廃水の排出状況及びSCWO技術の動向を文献にて調査し、処理実験方法、実験装置試作機の検討を行った。廃水の処理実験の解析により実機設計データを取得した後、実機を想定し適用性評価を行った。