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水場の施設がもう古いから変えてくれとか、こっちの地域は終わったから、こっちの地域をやってくれとか、水はIDBが結構入っているようです。水なんかはIDBも結構入っていて、これは国民の、住民の生活に裨益するなというふうに、いいプロジェクトだなというふうに感ずるものについては、やっぱり先に入っていますね、そういう国際機関というのは。なかなか鋭いなという感じをしまして、いい分野にはたくさん入ってくるというような感じがします。そういういいプロジェクトなんかをやっているところは、ある意味で、いいことをやっているんだから、フォローとしてもうちょっとやってもいいじゃないかという理屈が出てきますので、優良案件になるのかなというような感じもしています。

中米の関係はそんなところで、あと、OECDのダックでLLDC向けの援助のアンタイド化の問題というのは議論されていますので、若干、これに触れておきたいんですが、私も昔、国際機構課の首席事務官をやっていまして、ダックというのはほんとうに先進国のサロンのようなところで、そこでいろいろな議論をしているというところなんですが、これ、決議とか何とかということじゃなくて、大体、ダックで採択されるのがコンセンサスで、法的な義務を負うわけじゃないんですけれども、いろいろな議論があって、LLDC向けの援助のアンタイド化というので、一番問題になっているのは、技術協力や調達方法、食糧援助とかいろいろあるんですけれども、技術協力をすべて、開発調査も含めて、投資関連技術協力と言っているんですけれども、そういう投資関連の技術協力も含めて、アンタイド化すべきだというような議論がアメリカとイギリスを中心に出てきている。それに対して、フランスやドイツ、スペイン、オーストラリア、日本といったようなところが、それは反対していると。技術協力というのは、まさに日本の顔の見える援助であって、それをアンタイド化するというのは全くおかしいということで、強く反対しています。したがって、このままいくと、3月の9日、10日に資金面作業部会という小部会がありまして、そこでの議論が終わって、5月の上旬ぐらいにダックのハイレベル会合というのがありまして、これは各国の援助機関の最高責任者が出ていって議論する会で、1年に1回やっているんですけれども、そこでの議論になるということです。

例えば無条件の国際競争入札を適用しろとか、非常に理想論、空論のような話も結構出てきていますので、最初はそういう話は出てきますけれども、それから現実的な議論に引き込まれていって、だんだんトーンダウンしていって、まとまるものはまとまる形であれですけれども、まとまらないものはまとまらないというような感じで終わって、これは毎年1回、ハイレベル会合はやっていますので、日本はここは、技術協力については、すべてアンタイド化の対象外とするように強く主張していまして、このまま日本が反対していけば、別にコンセンサスは成立しませんので、まとまらないということになります。ここのところは、うちはもうかなり強いスタンスでやっていますので、最終的には寝っころがれば、それで終わりということですので、そんなに今の段階で孤立しているわけでもないし、フランスやオーストラリアやスペイン等は支持していますので、連合軍を組んで、そういうあまり現実的ではないような話をしないようにというようなことで、これほ強くやっています。

大体、以上で終わらせていただきます。かなり雑駁な話になっちゃって恐縮ですけれども、お許し願えればと思います。どうも御清聴ありがとうございます。(拍手)

【男竹理事】 ありがとうございました。

それでは、あと10分ほど時間がございますので、ご質問、あるいはご意見のある方、挙手をして、どうぞお願いします。どなたか。

【質問】 パシフィックコンサルタントの遠藤と申します。

最後の話題のLLDCアンタイド化なんですけれども、私ども協会を通して、この件は非常に反対申し上げているわけなんですけれども、今のお話を聞いて、意をよくしたんですけれども、今週の水曜日だったか、ジャパンタイムズで一面に載っているんですよ。日本の新聞はこういうものを取り上げないのに、いわゆる英字新聞で一面に取り上げて、そのタイトルたるや、いわゆるドラフトを書いていると。このLLDCアンタイド化をするというのを、中身は、よく読むとそうでもないんですけれども、かなりセンセーショナルな、ショッキングな記事になっているんです。日本が反対すれば大丈夫だと、こう言われているんですけれども、その辺、ほんとうに大丈夫なのかどうか、ちょっと・・・・・・。

実は、その新聞にも書いてあったんですけれども、昨年の5月に分科会みたいなところで、1年後

 

 

 

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