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あと、学校ですね。学校も小学校、中学校が破壊されて、200校ぐらいが全壊、半壊しているんです。これもやはり大変な状況になっている。大体、そういうインフラ部門、これは道路や橋じゃなくて、飲料水も含みますけれども、水関係のそういうインフラも含めたインフラの復旧改善、それから保健医療関係、それから農業セクター、それから住居、教育と、こういったところで大分被害を受けていて、そういったところを中心に、中米4ヵ国は国際社会に援助を求めているというような状況があります。これも中期から長期、短期までごちゃごちゃまざって、数字が宙に浮いていますので、融資なのか無償なのかもわからないというような状況ですので、必ずしもはっきりした形では、目に見えた形ではすぐには出てきていないんですが、いずれにしても、5月末のストックホルムの第2回のCD会合に向けて、各国とも現地に乗り込んで、相当、突っ込んだ話をしているというような状況で、ちょうど我々が行って、タイミングが非常によかったものですから、非常に有益な意見交換ができたかなというふうに思っています。

それから、エクアドルについては、これは台風とあまり関係ありませんけれども、これは建国以来の懸案と言われていたペルーとの国境問題がありまして、ペルーとの国境問題が、去年の8月にマワという非常にテクノクラートの大統領が就任しまして、それまで非常にぎくしゃくしていた、マネージメントの悪かったエクアドルが、彼が大統領に就任することによって、久々に本格政権が登場してきたと。この人なら話ができるというような雰囲気に少し変わってきています。彼が8月に登場するなり、100年とか200年にもわたる、建国以来の紛争であった国境問題について、10月に最終合意をしまして、これはエクアドルがかなり譲歩した形で、フジモリ大統領との間で合意をして、見事、和平に持ち込んだわけです。それの非常に成果を上げたということで、平和の配当ではないんですが、ペルーとエクアドルの国境地域の開発について、相当、国際社会に訴え出していると。先般はワシントンに2人で飛んで、クリントン大統領を間に挟んで、ワシントンでも支援国会合を開いて、ペルーとエクアドルとの国境合意に関するあの辺の国境地域の開発について、ぜひお願いしたいというような動きがエクアドルではあります。

他方、エクアドルというのは、所得、GNP/キャピタルが1,530ぐらいいっていまして、ちょっと高くて、無償の適格国からそろそろ外れるかなというような感じもあるし、円借は円借で少し問題を起こしていましてなかなか進んでいませんし、難しい面もあるんですが、この辺の国境地域の開発については、何かやっていかなきゃいかんのかなという感じを持っています。エルニーニョの災害によって被害を受けたところも、重点分野としてお願いしたいと言っていて、3点目が貧困対策ということで、農業分野の貧困対策といったものも要請していました。非常にエクアドルも日本に対する期待が高くて、中南米でも日本がナンバーワンのドナー国になっているというような話で、具体的にそういうところを回ってきて感じるのは、日本にいるとわからないんですが、現地のほうの日本の援助に対する期待というのは大変高くて、大きくて、思っていたより評価が高いんだなという感じは、中南米の場合にはしました。

それで、現地のプロジェクトも視察したんですが、今日も海外コンサルタント懇談会という会合があって、ちょっとお話しさせていただいたんですが、各コンサルタントの企業なりがやっていた、手がけていただいた案件が、大変現地の役に立っているというのがたくさんあります。私が行って見たのは、キト市の南部地域の上水道の施設の整備計画で、無償が出て、非常に長い何キロにもわたるパイプを引いてあげて、160何メートルか何かの高さに一応ポンプで持ち上げてあげて、それで浄水場に水を引っ張っていって浄水してあげるというような案件をやっていたんですが、非常にこれはうまくワークしていまして、キトの南部に住んでいる住民に対する上水の供給という観点では、本当に役に立っていて、喜ばれているというようなプロジェクトが多々あったということで、日本であまり知られていないんですけれども、そういう立派なプロジェクトをやっていただいているので、できるだけそういううまくいっているプロジェクトについては、具体的なものを把握して、それをできるだけお話ししていきたいなというふうには思っていて、今日、そんな話もしたんですけれども、うまくいったプロジェクトというのはどんどん広がっていくんですね、私が受けた印象だと。向こうにプロジェクトを視察に行きますと、確かに非常によくワークしていて、ありがとう、感謝していますと、実にいいのができましたと。ついては、今度はこれもお願いします、また、あれもお願いしますというので、結構、浄

 

 

 

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