日本財団 図書館


は、実は援助を実施している方であって、日本のODAの、日本の援助の実施主体の1つなわけです。

そういう方に援助を行ってやってもらっているわけなんですけれども、そういう重要な役割を果たしていただいているので、開発ドクターといいますか、まずは国があって、胃が悪いのか、膵臓が悪いのか、腎臓が悪いのか、脈拍がどうなのかという診断をしなきゃいかんと。その診断をする開発ドクターの人が行って、開発の診断をして、処方せんメニューを出す。これが開発調査のほんとうの仕事じゃないのかなという感じがしているんですが、あなたはちょっと血圧が高いですよ、ちょっと心臓があれですねとか、不整脈がありますよとか、腎臓がどうです、胆石がありますとかというような診断が、メニューが出てきて、それに対して、まず胆石は放っといてもいいから、まず肺のほうを何とかしましょうとか、そういう処方せんが出てくるということでしょうから、開発ドクターが行って開発カウンセリングをして、診断を下して、処方せんを向こうに提示してあげると。その処方せんに従って薬を飲んで、健康体になって元気になる。単純に言うと、こういう構図で、開発調査がやるのは、そこの開発ドクターを派遣して、開発カウンセリングをやってあげて、処方せんを示してあげると。この処方せんの中に、円借無償につながる話もあるということなんだろうと思うので、単に開発調査、調査と言ってしまうと、なかなかその辺のきめ細かいというか、対応が浮かび上がってこないということもあるので、ちょっと名前を変えるわけにはいかないんですけれども、開発カウンセリングとか、開発ドクターとか、ちょっと使っていこうかなというふうに思っています。

予算のほうについてはそういう感じで、地域割についても、アジア、中近東、アフリカ、中南米で、それほど変わらない状況になっていますので、これはこれとして置いておきまして、この間、行った中南米の出張の関係で、幾つか具体的なお話をしたいと思います。

最初に、中米のほうですが、皆様方、ご存じだと思いますが、去年の10月の29、30、31日、10月の下旬に「ミッチー」というハリケーンが来て、これが大変な暴威を振るいまして、特にホンジュラスが直接被害を被って、あのホンジュラスの上あたりでとまっちゃって相当の雨が降りまして、首都を貫流するチョルテガ川が土石流によって大はんらんしまして、7,000人以上の死者が出るという大惨事に至ったわけですけれども、したがって、12月にワシントンでIDB主催で、すぐに対中米緊急支援国会合というのが開催されまして、その場で、ほんとうはそういうプレッジングをする場ではなかったらしいんですが、IDBのイグレシア総裁が最後の記者会見で言ったのが63億ドル、被害は53億ドルだと。中米4ヵ国で、コスタリカは除いて、ホンジュラス、ニカラグア、エクアドル、グアテマラと、この4カ国で被害総額が53億ドル。このワシントンの会議で表明された援助が63億ドル。63億ドルってすごい数字が宙に舞ったわけですけれども、そのうち、IDBが5年間で30億ドル、世銀が18億ドルという援助を表明していると。これは融資ですけれども、それプラス、例えば今まであまりスウェーデンというのはほかではやらないんですが、ニカラグアでは相当やっていまして、スウェーデンが3億ドルぐらい、日本は1億2,500万から2億ドル、それからいろいろな国が何億ドルとかのことで数字をちょっと言って、それで会議は終わったわけです。

そのときの会議で、日本政府としては、この4ヵ国に対して2つのミッションを出しますと。それで政策対話をやりますということを表明しまして、2つのミッションが出たわけです。2月12日ぐらいから2月の20日ぐらいまで、私がホンジュラスとニカラグアを回りまして、もう1人がグアテマラとエルサルバドルを回ったと。実際、見てきたんですが、ホンジュラスが一番被害がひどくて、これは相当、深刻な状況になっています。それから、ニカラグアが次にやはりひどくて、それからグアテマラ・エルサルバドルはそれほど被害を受けていないんですが、被災案件があるということで、これは実は5月の下旬に、スウェーデンのストックホルムで第2回の対中米CG会合というのが開催予定されていまして、それに向かって各国がもう競争みたいになっちゃって、特にアメリカですけれども、私がホンジュラスに滞在していたときに、アメリカは10億ドルの援助を発表しまして、これはヒラリー・クリントンが発表したんですけれども、10億の中には、ベネゼイラとかほかの国に対する援助も幾つかあるんですが、長期の援助と言っていますので、何年かわかりませんが、アメリカは10億ドル。私が行っていたときに、EUの議会の議長が来ていまして、彼は2億2,400万ドルの融資をぶち上げていました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION