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第二部

 

【男竹理事】 第2部を始めたいと思います。

第2部は、先ほどこ案内いたしましたように、外務省経済協力局開発協力課長 大部一秋課長から「開発調査予算の内容と動向」というテーマでお話をしていただこうと思います。

それでは、課長、よろしくお願いいたします。

【大部講師】 どうも初めまして。開発協力課長の大部と申します。よろしくお願いいたします。

私、1月の18日付で開発協力課長になりまして、まだ1ヵ月とちょっという状況ではあります。ただ、3週間ほど勤めて、2月の7日から、私、スペイン語が専門なものですから、エクワドルと、今度、台風でヒットされた、被災を受けたホンジュラスとニカラグワと、3ヵ国の政策協議で回ってきましたので、そのあたりの話も後でちょっとさせていただければと思っています。2週間ぐらい、3ヵ国の政策協議をやりまして、非常にきつかったんですが、非常に有益な意見交換ができたというふうに思っております。

私、以前、スペインで研修を受けて、メキシコ大使館に82年から84年まで勤めた後、本省に帰ってきて、技術協力課に3年ぐらいいまして、それから中南米二課、それから、また経協局の国際機構課に戻りまして、アルゼンチンに行って、オーストラリア、内閣の内政審議室、それから研修所にいまして、それから経協局の現在のポストになっていますので、どちらかというと、スペイン語中南米圏のところの知見は持っておりますが、経協局のほうも、十数年前に随分やっていましたので、ある程度、経協の話は、ノウハウ、知識は持っているつもりではおります。

ただ、その経協局も十数年前とは違って、あのころは3年倍増、5年倍増、7年倍増というような形で、いけいけどんどんというような感じでODAは伸びていましたので、その結果、100億ドル近くの予算にまでダックでなって、アメリカを抜いて、第一位の援助国になるというところまで来て、さすがにアメリカを抜いて世界第1位の、ナンバー1ドナー国になりますと、もうそれ以上、倍増、倍増と言って増やしていくわけにいかんだろうということで、大分、状況が変わったところに、バブルがはじけて、こういうような状況になったので、今年のODAの予算は0.2%増ということで、そこそこ現状維持でしたけれども、去年は10%以上の減だったということで、前代未聞の、財政法が成立していましたし、ODAにとっては今までなかった減額をされたわけですけれども、今年になって、財政法が凍結になって流れが変わりまして、ODAにとっても非常に順風が吹いたということで、現状維持以上に持ってきたという状況になっていまして、大分、昔と比べると、スキームなんかもやわらかくなっているといいますか、昔は、例えばローカルコストの負担ができないとか、いろいろ縦割りの、スキーム割のリジッドな点があったんですけれども、今はかなりその辺はやわらかくなっているといいますか、フレキシブルになっていて、私が今回、帰ってきて、経協局でその話を聞いて、その新しい11年度の予算で、新規でついた予算、例えば留学生無償というのがありまして、これは無償資金協力課がやっているんですが、留学生無償なんていうのはよくできたなとは思うんですけれども、途上国から日本に留学する留学生がいますけれども、その人を、今度、途上国の派遣するほうに援助してやるわけです。文部省の留学生というのは学問的な観点からの留学生ですけれども、それは日本に来た人に日本からお金を出してあげるということなんですが、逆に、途上国から派遣する側、ですから技術協力との関係、経済協力との関係はあるんですけれども、派遣する側のほうにお金をつけてあげて、それのお金で日本に来るという、こういうスキームが認められて、今、どういうふうに実際やるかということを検討しているんですけれども、非常に考えがやわらかくなっているなという感じがします。

それから、ローカルコストの負担についても、今まで技術協力課とかにいた経験からすると、これは全部、途上国の自助努力ということが前提ですから、まさかそこまで持つわけにはいかないということなんですが、実際は現地業務費とかいろいろ手だてはあるんですけれども、ただ、そうやっちゃうと、コピー代の紙代まで全部こっちで金を出すというような話になるので、よくはないんですが、ある程度できていたんですが、最近は2KRとかノンプロ無償の見返資金が積立ててありますので、見返資金で相手のローカルコストを見てあげるとか、そういうことも場合によってはやるということになっていて、あと債務救済無償もできているし、草の根無償もできましたし、この草の根無償も一昔前は大使が現場で小額の案件について、必要と思われるものに

 

 

 

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