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(3) 調査対象地域

平成9年度の社会開発分野の開発調査は、平成10年3月末までに、67ヶ国に対し、158件を実施している。なお平成8年度実績は、63ヶ国143件となっている。地域別動向ではアジア地域46.9%(平成7年度48.6%)、中南米地域13.3%(同16.9%)、大洋州地域2.1%(同2.8%)、アフリカ地域14.7%(同11.3%)、中近東地域14.0%(同13.4%)、及び欧州7.0%(同7.0%)となっている。

 

(4) 開発調査の動向

最近の社会開発分野における開発調査の動向としては、調査規模の拡大、内容の多様化、高度化が挙げられる。特に、開発途上国の首都圏を始めとする都市部において、深刻な問題となっている大気汚染対策、廃棄物処理対策や川、湖沼等の水質汚濁対策、あるいは、これらが複合的に絡み合い分野横断的な対策が求められている環境保全・改善分野の案件にかかる要請が増加しており、国際社会における環境保全への関心の高まりと相まって、今後、さらに増えることが予想される。また、開発途上国の発展の進度により、ある程度、経済発展が進んだ国においては、バランスのとれた地域開発促進のための地方道路網整備や首都圏における高速道路の維持・管理計画策定、さらには交通渋滞対策としての交通管制や情報システムの整備、橋梁等の補修・点検マニュアル(ガイドライン)の作成といった分野に重点が移行されてきており、従来のハード(施設建設)を主体としたものから所謂ソフト(マネジメント)的色彩の強い調査要請が増加の傾向にある。このソフト型開発調査の要請は、上述の世界的な環境保全に対する認識の高まり、開発途上国が置かれている厳しい財政事情を背景に、既存インフラストラクチャーの有効活用の考え方が強まってきていることもあり、今後とも増えてくるものと考えられる。

 

 

 

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