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(5) 課題

ア. 複雑・多様化する援助ニーズヘの対応

開発途上国が抱えている開発課題は、経済・財政状況、社会基盤整備状況、技術水準等の違いにより異なってきている。それに加え、1989年以降の東西冷戦溝造の崩壊により、ソ連・東欧諸国を中心とする旧社会主義国が被援助国側にまわり、さらにこれら諸国は旧政治体制からの脱却と市場経済化への移行を基本政策としつつ財政、金融、貿易、社会保障、行政組織等国の根幹を成す重要な制度の改廃、再構築と各制度・分野における具体的重要政策の確立に向け依然努力を継続中である。また、開発ニーズ自体も従来のいわば伝統的な経済基盤整備を中心とした分野から地球的規模の問題(グローバル・イシュー)としての環境問題や人口問題、その背後にある教育問題へとニーズが変わってきている。このような状況を踏まえ、国ごとにきめ細かい開発課題・援助ニーズを把握・分析し、その国にとり最も効果的な開発調査事業を実施することの必要性がますます高まってきている。

イ. 他の事業との連携

一方、従来の有償資金協力の基礎資料としての役割を果たし得るということに加え、開発途上国の現状やニーズを的確に把握し、将来予測に基づく開発計画を策定するという開発調査事業の性格に鑑み、従来の有償資金協力の基礎資料としての役割に加え、他の技術協力や無償資金協力の計画策定、実施等の基礎的計画としても活用することができるため、これら他の形態の技術協力および資金協力との一層の連携強化が求められている。

 

 

 

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