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第二部 「カンボディア王国における運輸・交通の現況」

 

【男竹理事】 それでは、お待たせいたしました。

第2部は、カンボディアの運輸省へJICA専門家として2年間派遣されて、6月にお戻りになりました金子さん、現在は港湾局の開発課長でございます。大変お忙しいなかをこのセミナーのためにきょうは時間を割いていただきましてありがとうございます。

それでは、よろしくお願いいたします。

【金子講師】 ただいまご紹介いただきました金子でございます。きょうは、このようなセミナーにお招きいただきましてまことにありがとうございました。

本日は、「カンボディア王国におきます運輸・交通の現況」、これについてお話をさせていただきたいと思います。私よりも詳しい方もここにおられるので、なかなか話しにくいところがありますが、何とかやりたいと思っております。

私は、平成8年6月から平成10年、本年6月まで2年間、JICAの専門家としましてカンボディア王国の公共事業運輸省というところに派遣されておりました。そこで運輸港湾アドバイザー、こういう肩書で勤務をしておりました。

私が着任しました平成8年6月時点というのは、今から大体2年前になりますけれども、まあまあ落ちついた状況でありました。問題はいっぱいありましたけれど、復興に向けて一歩ずつ進めていこう、こういうような状況でございましたけれど、その後、昨年7月、いろいろ国内で紛争といいますか、問題もございまして、大変難しい状況にあったわけであります。その後、日本をはじめ各国から大変いろいろ援助がありまして、選挙がありました。本年の7月でございます。選挙が終わりまして、昨日24日に新しい国会が、とりあえず国会は開かれたというところでございます。

きょうの日本の朝日新聞等いろいろ出ております。シアヌーク国王のもとで、いろいろ難しいことはあるけれど、とにかく国会を開き、新しい政府をつくってやっていこう、こういうようなことでとりあえず進み始めたというところのようでございますけれど、まだその選挙をもとにした政権はできておらないわけであります。また、いろいろ治安の問題もあるということが報じられておりますけれど、私どもとしましては、1日も早く落ちついて仕事をしてほしい。その中で我が国も復興に協力していくということが1日も早くできればいいなというふうに思っているわけでございます。

前置きはそれぐらいでございますが、6月に戻ってまいりまして現在9月でございますので、これからお話しするデータ等、時間が経っておりますので、若干古いところもございますけれど、皆様方の何かのご参考になればと思っております。

本日は、テキストをお手元にお配りしておりますが、テキストとOHPを併用してお話をしていきたいと思います。

テキストを1枚めくっていただきますと目次がございます。きょうお話しする内容でございますが、まず初めに、カンボディアの経済・社会の概要というものをお話しいたしまして、それに続きまして、基本的な計画、どんなものがあるかということをお話しいたします。その後、各セクター別に、道路、鉄道、港湾、空港というふうにお話をしていき、最後に、こういうセクター別にはならないような、例えば、都市交通等について若干触れていきたいと思っております。

それでは、まずOHPで説明をしたいと思いますけれど、これはテキストには4ページ、白黒でつけておりますけれど、余りきれいなOHPでなくて申しわけありません。

まず最初に、これは東南アジアの図でございますけれど、これがマレー半島で、これがタイでございます。そしてこれがヴィエトナム、ラオス、これがインドネシアでございまして、これはマレーシア、それからここはシンガポール。こういうような位置にありまして、東南アジアのインドシナ地域といいますか、東南アジアのへそに当たる位置にあるわけでございます。大体いろいろなASEAN諸国の中が2,000キロの円の中に入るというような、地理的には大変いい位置に、十字路の位置にあるわけでございます。

それで、カンボディアという国でございますけれど、今、ここに青くなっている、もうちょっと詳しく見てまいりますと、国土の真ん中にメコン川が流れております。ここのところでメコン川は国境を越えまして、ヴィエトナムのほうに流れていきます。そして、この国、先ほどお話しいたしましたが、周辺をヴィエトナム、ラオス、それからこれがタイでございますけれども、こういう国に挟まれている。

 

 

 

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