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(4) ヴィエトナム代表報告

ヴィエトナムにおける東西回廊整備に関する諸問題

(講演者)トゥラン・クオック・トゥエン

ヴィエトナム運輪開発戦略研究所

上席専門家、技官

 

はじめに

まずはじめに、東西回廊の整備に関する意見をこのセミナーで発表する機会を与えていただいたことに感謝の意を表したいと思います。

東西回廊は非常に重要な意味を持っており、インドシナの各国地域全体の経済的、社会的、文化的な発展にとっても好ましいと我々は考えています。ヴィエトナムやタイ、ラオス、カンボディアといった国々と東北アジアや南アジア、ひいては世界の他の国々との間に、経済交流や全般的な協力関係を促進することにもなるからです。

ヴィエトナムはインドシナ半島の東南部に位置し、北は中国人民共和国、西はラオス人民共和国、西南はカンボディア王国、東は太平洋に囲まれています。また、運輸システムの整備に適した地理的特徴を有しています。例えば、海岸線は、北は中国国境から、南はシャム湾を望むカンボディアとの国境地点のハティエンまで3,260kmにも及び、その海岸線沿いには海港や深水港に適した立地に恵まれており、ヴィエトナムをはじめ近隣諸国も利用可能な、海への「開かれた門戸」を整備できる様々な条件が揃っています。

国内や近隣諸国(ラオス人民共和国、カンボディア王国、中華人民共和国など)の様々な地域と海港とを結ぶ多くの道路、鉄道、内陸水路、航空路が運輸システムを形成しており、重要な戦略的回廊となっています。

この報告は、このセミナーの成功にささやかながら貢献し、東西回廊整備に関する情報の提供と問題提起を行おうとするものです。

 

東西回廊の構想と検討対象範囲

東西回廊とは、中部ヴィエトナムの海港からラオス人民共和国、カンボディア王国を経て、タイ東北部に至る主要な諸道路であります。

 

 

 

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