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(3) タイ代表報告

タイにおけるハイウェイ開発プロジェクト

(講演者)スナント・グリエンプラディト

タイ運輸省 道路局 計画部

土木技師

 

1) 経済

タイは東南アジアの中心に位置し、面積はほぼフランスと同じである。総面積は514,000平方キロメートルで、人口は6000万人、人口増加率は年間1.6%である。1994年の国内総生産は2,686,739百万パーツで製造業部門の割合が高い。工業化が始まったここ30年間の長期的な経済実績は、まさに目覚しいものであった。特に1987年から1991年にかけた景気高騰の頃には、経済成長率は平均10.5%で、1988年には最高の13.2%を記録した。この現象は、主として製品輸出の大幅な伸び、国内外からの大規模投資、そして観光産業の台頭がもたらしたものである。タイのインフレ率は、国際的な基準から見れば比較的低く、過去30年間の消費者物価指数の増加率は、3%以下であった。但し、1987年から1990年にかけた記録的な成長率2桁の時期には、加熱気味の経済と需要のため、インフレ率は4.6%にまで上昇した。

しかし、目覚しい経済成長は遂げたものの、タイの経済活動と繁栄の大半は、バンコクとその周辺の県に集中するにとどまった。バンコク首都圏内の国民一人当たりの収入は、首都圏外と比較すると依然としてかなり高く、国内で最も貧しい北東部の約12倍に当たる。このことは、タイ国民の大半が、生活の質の全般的な向上から取り残され、国家開発の大きな障害となっていることを意味している。

1997年以来、タイは深刻な経済危機に見舞われており、その結果経済成長はマイナスになっている。1997年から1998年にかけ、インフレ率は8%台と高い。しかし状況は好転しつつあり、1999年には経済成長率も1%に回復し、持続可能な成長も見込まれるようになってきた。

 

2) 国内輸送システム

2) 1 輸送手段

タイ国内の輸送システムは主として、陸運、航空、水運の各部門で貨物、乗客の輸送にあたっている。陸上輸送部門における自動車輸送の伸びは、鉄道輸送よりはるかに大きい。各部門の概要は以下のごとくである。

 

 

 

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