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2) 1.1 陸上輸送

タイの陸上輸送システムは、230,000km以上に及ぶ道路網、4,000km以上に伸びる鉄道網と、バンコクのマストランジットシステムから成る。

2) 1.1.1 道路

急速に拡大しつつある全長約230,000kmの道路網の内訳は、国道、高速道路、地方道路、都市道路となっている。道路のカテゴリー区分や機能によって、道路建設の担当部署がいくつかに分かれている。道路局は国道、モーターウエー、コンセッションハイウェイを担当し、公共事業局は地方道路を担当している。

2) 1.1.2 鉄道

鉄道網は狭軌(1.0m)が4,623kmで、複線区間が90kmである。バンコクから国内各地に向け放射状に運行しており、マレーシア国境のパダンバザールやスンガイコロク、ラオス国境のノンカイとも接続している。

鉄道開発に対しては、よりスピーディーで、より便利な接続サービスの提供が期待されている。これと並行して進められている主なプロジェクトは、線路の増強、修復、コンピューター化、複線化、車両の追加購入、サービス施設の新たな建設などである。興味深い主要プロジェクトの一つに、バンコクとノーングハオのバンコク第二国際空港、東部臨海地域を結ぶ高速鉄道があるが、これはまだ研究段階にある。

地方の鉄道以外にも、バンコクの交通渋滞緩和対策として、多くの巨大プロジェクトが進行中である。都市高速道路交通システムもその一つで、すでに多くの区間で運行されている。また、全長28kmのライト・エレクトリック・トレインプロジェクト(LRT)では一方向一時間当たり1万人、つまり一日に約50万人を輸送できることになる。バンコクの42kmの地下鉄網の建設も部分的に始まっている。

2) 1.2 航空輸送

タイ航空庁(AAT)と民間航空局(CAD)が国の航空輸送を担当している。現在ATTの管轄のもとに5つの国際空港、CADのもとに18の地方空港がある。それに加え民間のバンコク航空がタイ南部のサムイ島空港で就航している。国の中心空港であるバンコク国際空港は、1998年現在では国際線1400万人と国内線500万人の乗客に対応しているが、国際線2500万人と国内線850万人分に対応できる能力を有している。

 

 

 

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