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2.3 四カ国代表報告

 

(1) ラオス代表報告

ラオスにおけるインフラ整備事業と越境交通の特徴

(講演者)オーライ・ファンドアンデス

ラオス運輪交通・郵便・建設省

計画技術部長

 

1) ラオスの交通システムの概要

はじめに、交通システムの概要から述べます。ラオスがどこにあるのか、皆さんご存知だといいのですが。ラオスは、インドシナ諸国であるタイとヴィエトナムの間に位置しています。両国の人口は、それぞれラオスの人口よりはるかに多いです。

ラオス人民民主共和国は、人口457万5,000人(1995年国勢調査)、面積23万7,000km2 の小さな開発途上国です。1997年の国内総生産は17億米ドル、年平均成長率は6.5%です。経済構造は農業が中心で、1997年のGDPに占める割合は52%です。サービス業は27%、工業は21%となっています。

ラオスは内陸国で5カ国に囲まれており、その国境の長さは6,080kmです。地勢は起伏が激しく山が多くなっています。我国の目標は、ラオスを陸の孤島から隣接国と陸路で結ばれた国に転換することです。ラオスの主要な陸上交通は道路です。国内の道路総延長は21,000kmで、このうちの約2割は舗装されています。内訳は、国道が6,400km、県道が約7,100km、地方路・一般道が約8,000kmとなっています。道路状況は劣悪です。

一方、水上交通は、ラオス最大の居住地域を結ぶ自然の大動脈、メコン川に集中しています。最近は13号線の改良が行われ、川を利用した交通の重要性は低くなりつつあります。1999年1月現在、鉄道はありません。

林道や採掘用道路を合わせた道路網は総延長21,627kmであり、国道、県道、地方道で構成されています。現在、道路網の17%が舗装されています。主要な町、県都や隣国とを結ぶ国道は総延長6,422kmで、このうち3,032kmは舗装路で、残りは砂利道もしくは地道となっています。県内の町や比較的大きな村を結ぶ県道網は総延長7,136kmで、このうち117kmは舗装、それ以外はほとんどが地道です。地方道・一般道は全長約8,000km(7,954.6km)で大半が未舗装の地道か道路状況が良くありません。その多くは、雨や保守水準の低さから、雨季には自動車が通行できなくなります。

 

 

 

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