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MCTPCと我々が呼んでいる運輸・郵政・建設省の交通部(Communications department)が、国道・県道の管理・計画・建設・保守を管轄しています。日常的、定期的な保守の実際の責任は、MCTPCの県の機関に委任されています。つまり、ラオスにおける道路部門の保守工事はすべて、県当局に委任されているのです。MCTPCは新しい投資事業の立案や一部の建設は担当しておらず、こうした事業のほとんどは、国際的な金融機関から融資を受けています。

1995〜2000年までのMCTPCの政策大綱としては、道路交通、河川交通、航空交通を整備し、また県や地区の中心地相互の通行が一年中可能な道路網を整備することによって、生産、流通および国の防衛・安全保障を支える内容となっています。公共政策は事業に入っており、援助国や多くの資金提供機関から支援を受けています。前述のインフラ整備事業については、後でご紹介いたします。

 

2) 越境交通の特徴

次に、越境交通の特徴についてお話します。

ラオスの越境交通は大きく三つに分けることができ、一つは観光客の輸送、もう一つは主にタイからラオスヘの家庭用品の輸入、三つ目がラオスからヴィエトナムへの林産品・木材製品の輸出です。それでも輸送量は依然として少ないです(巻末OHPを参照)。

* 例えば、8号線の一日当り平均交通量(ADT)は1998年10月で車両数194台であり、このうち89台がトラックもしくはトレーラーで、8台がバスでした。交通の19%はヴィエトナム行きもしくはヴィエトナムからのもので、11%はビエンチャンとヴィエトナム間のものでした。

しかし、今後の越境交通は現在と同じ構成でも、輸送量は急増することを望んでいます。

越境交通の代表的な手段は現在、メコン川に架かるビエンチェンとタイのノンカイを結ぶ友好橋です。しかしながら、私が初めから指摘しているように、ラオスは人口集中地間の戦略的な位置にあることから、交通の中継地としてのポテンシャルは非常に高いものがあります。越境交通に関しては、非常に明快なJTCA調査団報告を行った岩田氏に全く同感です。

 

3) インフラ整備事業

ラオス政府がインフラ整備事業に投資する可能性は、国の貧しさと東南アジアの経済危機が原因で限られたものになっています。外国の援助(無償援助ないし低利の融

 

 

 

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