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急速なコンテナー貨物需要が見込まれる。しかしながら、その対応は一律ではない。タイのLaem Chabang港は5つのコンテナーバースを持ち先進的なオペレーションを行っているが、ヴィエトナムには専用のコンテナーバースは一つもなく非効率な取扱いを行っている。

ESCAPの調査結果によると、2006年までにタイでは12のコンテナーバースを追加する必要があり、カンボジア及びヴィエトナムもこれまでなかった専用のコンテナーバースを、それぞれ3及び12新設する必要がある。港湾計画との関連について述べるならばタイはLaem Chabang港のフェーズII計画に沿って整備し、カンボジアはSihanoukville港でJICAが策定した計画どおりに整備すればよい。しかしながら、ヴィエトナムにはこのような明確な港湾計画はなく、北・中・南のどこに、それぞれコンテナー専用バースを作るか決めなければならない。

 

(6) 内陸交通ターミナルと越境交通処理施設の整備方針

内陸に位置する都市成長拠点には、それぞれ内陸交通ターミナルを整備して交通結節機能を強化する。ターミナルを構成する施設は、トラック・ターミナル、バス・ターミナル、内陸コンテナーデポ、倉庫と駐車場を想定する。複数の交通機関(鉄道、水運、航空)へのアクセスが容易にできるように設計する。この点では、タイは内陸トラックターミナルの整備計画を持っており、調査地域内の他の3国には参考となろう。

越境交通処理施設の改善も重要であり、以下の方策を講じる。

─ 施設の拡充

─ 情報処理システムの国際標準化(EDIFACT、ACIS等)

─ 国際条約に基づいて機関手続きの簡素化

─ 税金、使用料等の最小限の徴収又は廃止

─ 職員の英語のプログラムによる訓練

 

2.2.4 提言

 

(1) 優先的に整備すべき東西交通軸への提言

・ 計画されているすべての道路、橋梁区間を2003年までに整備する。

・ ヴィエトナムの中部と南部の港湾地域では、コンテナー貨物と中継貨物を扱う港を決めて、優先的に整備する。

・ 内陸の2つの都市成長拠点(UG8: Siemreap─BattambongとUG10: Savannakhet─Thakhet─Mukudahan)に内陸交通ターミナルを整備する。

・ 越境交通処理施設を4カ所に整備する。

・ 国際条約の批准と地域内フレームワークの締結により、更に制度づくりを進める。

 

(2) 東西交通軸の全般的整備へのその他の提言

・ 地域内協調のベースとなるように、各国で全国交通マスタープランを策定する。

・ 自然及び社会環境への開発に伴う悪影響を軽減する処置を講じる。

 

 

 

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