2.2 JTCA調査団報告
(講演者)岩田 鎮夫
JTCA嘱託
株式会社アルメック代表取締役
工学博士
2.2.1 はじめに
(1) JTCAセミナーの系譜
JTCAはこれまでヴィエトナム・ハノイにおいて4回のセミナーを実施しており、今回が5回目となる。第1回セミナーを1997年3月に実施して以来、2年足らずの間に5回と集中的な開催となったが、この間に一貫して交通インフラ整備と制度改良について取り組んでおり、特に貨物交通を重視してきた。そしてセミナーの内容も、先進国の成功事例からヴィエトナムにおける、より実践的な交通セクター整備のための議論に推移してきた。
(2) 調査目的と調査活動
本調査の対象地域は、タイ、ラオス、カンボジア、ヴィエトナムの4ヶ国である。ヴィエトナム、ラオス、カンボジアは歴史的にインドシナ地域と呼称されてきた地域であり、これにタイを加えることで一体的な地域交通体系の整備が可能となる。
本調査の目的は次の3点である。
イ) 調査地域の交通インフラプロジェクト及び越境交通に関する最新の情報を集めるとともに、現地視察を行う。
ロ) 4カ国の交通運輸管轄省庁及び関連国際機関と地域の交通システム整備のあり方について意見交換を行う。
ハ) 現在進行中の地域内交通プロジェクトの相互調整及び経済発展に効果的に資するあり方について提言を行う。
この目的を満たすために以下の現地調査を行った。
イ) 政府機関の訪問: 交通運輸省及び海運総局(ヴィエトナム)、通信・交通・郵便・建設省及び投資・国際経済協力委員会(ラオス)、交通・通信省(タイ)、公共事業・交通省(カンボジア)
ロ) 国際機関の訪問: アジア・太平洋地域経済社会委員会(ESCAP)、メコン川委員会、アジア開発銀行
ハ) 現地踏査: ヴィエトナム・カンボジア国境地点(ヴィエトナム側Moc Baiより)、Can Tho港、タイ─ラオス友好橋(ラオス側ビエンチャンより)、Laksi港(ビエンチャン)、Laem Chabang港(タイ)、プノンペン港(カンボジア)