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A、最初の方の質問に対しては、一般的なお答えしか出来ないんですが、1つは日射量ですね、太陽の明るさの変化、それから地球軌道要素の変化も含めた日射量、それから緯度分析、季節分布の変化と言うのが一つ考えられます。それから、もう一つは、グリーンハウス・ガスですね。二酸化炭素を含む、そういった温室効果ガスの濃度変化、これに関しては氷床から記録が復元されていますけど、もし、短期間でそういう上昇が起こって、又元に戻ったとか言う短い期間の変動の場合はdetective(検出)出来るかという問題があります。後は、海洋循環の、循環の強度もしくはモードの変化です。

そう言うことも考えられるんじゃないか、ただ具体的にこういう証拠があるから、これに違いないという考えは、未だありません。それは、未だこれから明らかにして行くべき問題だと思います。

 

それからもう一つの質問に関しては、最終氷期のグリーンランドのアイスコアの記録は乱れていると風に言われています。その場合、だから低い方の値はその前の、時代的には後のモノは混ざってくれば説明つく訳ですよ。だけど、暖かいほうはなかなか説明がつかないんじゃないか、だから暖かいほうが、意味があるんじゃないかというのが、私の考えです。

 

奈須先生

Q、大変詳細な話を開かせて頂きましてありがとうございました。

先生も良くご存知だと思われますが、数年前に富山大学の藤井先生を中心に(略)富山沖の海底林、これは、世界で唯一発見されたものだと思いますが、水深40mの所のものが一万年前、20mの所のものが1000年前と、余り地殻変動はしていないようなのです。従って、柳の木で50年位の開き(plug)しかありませんから5m位高い所にあったとすれば、1万年前の海水準はマイナス45m位と、それからですね、一万年の間にずっと上がってきて6千年か5千年前に、細かいfluctuation(変動)がありますが、安定期に入ったと、これ私、数週間前に気が付いたのですが、もし大陸氷床が連続していれば、まだ、ずっと上がっていると思うのですけれども、気温も大体一定ですから、遅くその南極氷床、これ普通90%の氷の量を持ってますね、グリーンランド9%、これが少し離れていた為に不連続であって、そこで途絶えたんだろうと、氷の元がですね、それで一応、今、安定期に入っていて、これは人類が文明を海岸付近に発達させた非常に大きな原因であろうというふうに思っているんですが、この点につきましては、私ほんの数週間前に気付きましたんで、が、もう一つですね、数週間前にアメリカGSAのニュースレターに120m位海面が下がると、ガスハイドレートを大量に崩壊させるどうも予想があるらしいと、そうしますと、2万年前に120m位下がりますと、そこで、大量にガスハイドレートが出て、それが、二酸化炭素の10倍位の温室効果がありますから、そこで急激なこの温暖期の海水準上昇に入ったのではないだろうかと、今、考え始めているところです。大変先生の話と深く関係しますので、チョット参考までに、ありがとうございました。

 

A、ガスハイドレートについては、特にダンスガード・サイクルに運動する形での変動が既に、明らかにされているんですが、それが、どっちが先かというのは議論がありまして、私の見る限り、メタンの上昇のシグナルの方が先のように見えるんですね。これはむしろ氷床の専門の方に伺ったほうがいいかも知れないんですけれど、そう言う事で、むしろ、私達はメタンの信号を根拠に中低緯度の乾燥湿潤サイクルというのが、少なくとも今迄皆が見ているシグナルの中では一番早いものじゃないかと、そういう風に考えています。(FIG.-27)

 

座長:(どうもありがとうございました。 平先生 如何ですか?)

 

 

 

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