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7.Cochin Shipyard Ltd.,Cochin(CSL)所在地コーチン

Cochin Shipyard Ltd.はインドで最初に新規造成地に建設された造船所で、1972年にインド政府の全額出資により設立された。当造船所は日本の三菱重工との技術提携により建設された。1998年3月末現在同社の授権資本は220クローレ、払込済資本金は217.93クローレ。二つの部門、すなわち新造船部門と修理部門がこの造船所の主柱となっている。CSLの最大新造能力は95,000DWT、最大修繕能力は125,000DWT。これまでの実績としては75,000DWT型撤積船5隻と、86,000DWT型原油タンカー2隻を建造し、SCI、その他の船主に引き渡した。
その他、当造船所はこれまでに相当数のタグボート、その他の小型船も建造している。また修繕実績は600隻を超える。CSLは造船および修繕船部門で国際標準化機構よりIS09001の認定を受けた。

業績:

CSLの過去の業績は量的にもまた財務的にも満足すべきものではなく、恒常的に赤字を記録してきた。1998年3月末現在累積赤字は117.05クローレであった。業績不振の主な理由は以下の通り。

・造船コストと船価の逆ザヤ

・政府および銀行からの借入れに伴う金利負担

・低生産性

・受注不足のため、原材料、工事量の連続的かつ円滑な流れが確保できない
同社再建のため、自己資本強化など、大要以下のようなリストラ措置が1993-94年度に決定された。

・船価の30%に相当する補助金の交付

・自己資本の再構築、具体的には

借入金合計119.14クローレの7%非累積優先株への転換が1993年3月末までに承認され、通常利率で累積した未払金利(1993年3月末現在136.90クローレ)を無利息融資に転換、6年目すなわち1998年4月1日より10回均等返済のこととし、罰則金利累積額38.65クローレは債権放棄。
同時に、同社は業績向上のため内部努力として以下の措置を実行に移した。

1)従業員の削減

2)管理手法の改善

3)多角化

4)販売活動の積極化

 

 

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