実績:
HSLは下記の原因から1980-81年度以来造船部門で赤字を出している。
・造船業における建造費と船価の逆ザヤ
・政府および銀行からの借入れに伴う膨大な利子負担
・過剰労働力の存在HSL再建のため、政府は1997年8月に一連の再建策を承認したが、その主な内容は以下の通り。
・船価の30%の建造補助金を交付。
・HSLへの貸付金の元利合計470.93クローレの債権放棄と政府融資120.20クローレを出資に切り替えることにより自己資本のリストラを行なう。同時に、HSLは業績向上のために下記の措置を実施した。
・積極的な販売活動・設計能力の向上
・生産設備稼働率の向上・余剰人員の削減
・労使関係の改善
・経営多角化
・建造ドック(および修繕ドック)を修繕船工事に最大限活用する
受注状況:
現在のHSLの手持工事は以下の通り。
・A&N Administration向け、1,200人乗り貨客船1隻
・SCI向け42,750DWTバルクキャリア2隻
・VPT向け50tボラード式タグボート2隻
制約要因:
HSLが直面する制約要因は以下の通り。
・受注不足のために既存生産能力の稼働率が低い
・労働力過剰
・優遇金利で運転資金が供給されない
・原材料および部品が国内では入手できない
・設備近代化のための資金不足
今後の展望:
・当造船所の競争力を技術、営業両面で強化するために、HSLはいくつかの有力な外国造船所との合弁事業計画を進めている。政府および同社経営陣が講じる各種の措置により、本世紀末までに着実で継続的な成長および生産性向上を実現するものと期待される。