日本財団 図書館


データで見る[日本人のスポーツ]概況

 

『スポーツライフ・デー夕1998――スポーツライフに関する調査報告書』より

 

SSFでは、昨年6月に「SSFスポーツライフに関する調査」を全国20歳以上の男女3,000人を対象に実施しました。この調査は、わが国で初めて「実施頻度」「実施時間」「実施強度」の3つの観点からスポーツ人口を量的・質的に算出しているのが特徴で、1992年から2年ごとに実施しています。この調査結果をまとめ、このほど刊行した「スポーツライフ・データ1998」の中から、5項目を選んで紹介します。

 

「スポーツライフ・データ1998」

定価:2,100円

(税込、送料別)

希望者には無料で

データを貸し出します。

 

003-1.gif

 

1 わが国の「アクティブ・スポーツ人口」は着実に上昇

過去1年間に、少なくとも1回は運動やスポーツを実施した人は65.7%(男性72.2%、女性59.2%)で、1996年の前回調査とほぼ同じでした。ところが、週2回以上、1回30分間以上、運動強度「ややきつい」以上の運動を実施した「アクティブ・スポーツ人口」は13.1%(推計人口1,271万人)で、前回(9.6%)を上回り過去最高の割合となりました(図1)。これは、わが国の成人人口の8人に1人にあたります。性別でみると、男性13.1%、女性13.0%とほぼ同率で、男女差はなく、この結果から、運動・スポーツ実施者の数は増えていないが、運動・スポーツ活動の質が全体的に向上していることがわかります。

 

図1 アクティブスポーツ人口の割合の推移

 

003-2.gif

 

2 「ウォーキング・散歩」が人気スポーツNo1に

過去1年間に実施された運動・スポーツ種目についてみると、実施者が最も多かったのは「ウォーキング・散歩」の26.8%で、推計成人人口は2,622万人となります。2位は「ボウリング」で21.9%(同2,142万人)、3位は「体操(軽い体操・ラジオ体操など)」で21.4%(同2,093万人)、以下、表1の順となっています。性別でみると、男性だけに人気があるゴルフや釣りなど、男女差があることがわかります。また年代別でみると、ボウリングは20歳代、30歳代で1位、40歳代で2位と、若い世代で人気が高い一方、40歳以上ではウォーキング・散歩が1位、50歳以上では体操(軽い体操・ラジオ体操など)が2位に入っており、若年齢層と中高年層で人気種目に若干の違いがみられます。

 

表1 種目別スポーツ実施率および推計成人人口(上位20位)

003-3.gif

注) 種目別のスポーツ人口は、各種目の割合に、平成9年度の住民基本台帳にある20歳以上の成人人口97,845,742人を乗ずることにより推計した。

 

3 「スポーツクラブ・同好会」の利用のされ方

スポーツクラブや同好会に現在加入している人は18.4%、過去に加入していた人は23.2%でした。加入者を年代別にみると、40歳代の加入率が20.9%で最も高く、50歳代以上では年齢が上がるとともに加入率が減少していく傾向がみられました。回答者が加入しているスポーツクラブ・同好会を種類別にみると、「地域のスポーツクラブ・同好会」がおよそ6割で最も多くなっています(図2)。主な実施種目は、ソフトボール、野球、バレーボールといった団体種目です。一方、次に加入率の高い「民間の会員制スポーツクラブ」では主として「水泳」、「筋力トレーニング」などの個人種目が行われています。

 

図2 加入しているスポーツクラブ・同好会の種類(複数回答)

003-4.gif

 

4 「スポーツ観戦」野球に根強い人気

過去1年間にスポーツの試合を直接観に行った人は31.3%でした。性別でみると、男性が37.2%、女性が25.5%で、女性の観戦率が男性に比べ低くなっています。最も人気が高かった観戦種目は「プロ野球」の14.3%で、観戦者は成人人口のうちの1399万人と推計されます。2位は「高校野球」の4.1%で、野球が上位2位を占める結果となり、観戦スポーツとしての野球の人気が依然として根強いことがわかりました。以下の順位は表2のとおりです。サッカーを代表する「Jリーグ」の観戦率は、日本代表のワールドカップ予選突破などの「追い風」にもかかわらず、前回調査(1996年)より1.7ポイント減少して3.7%になってしまいました。

 

表2 スポーツ種目別観戦率(上位10種目)

003-5.gif

 

5 男女で違う「スポーツ参加」の条件

運動・スポーツ活動の現状に対する満足度をみると、「運動・スポーツを行っており満足している」と答えた人はわずか18.9%でした。一方、「行っているがもっと行いたい」が12.7%、「行いたいと思うができない」が42.6%で、およそ半数の人が現状のスポーツ環境に不満を持っていました。不満を持っている回答者に、スポーツへの参加を可能にする条件をたずねたところ(表3)、男性では「休暇が増えれば」、「勤務時間が短くなれば」など、時間的なゆとりが条件にあげられ、女性では「一緒に行う仲間ができれば」、「家事・育児が軽減されれば」など、時間的なゆとりとともに「仲間」の存在が重要であることがわかります。

 

表3 運動・スポーツ活動への促進条件

003-6.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION