SSFスポーツエイド特集1
杉並少年ラグビースクールの8日間
「日豪ジュニアラグビー交流」同行視察
今夏7月25日から8月2目にかけて、SSFスポーツエイドの交付事業の一つ、杉並少年ラグビースクールが実施した「日豪ジュニアラグビー佼龍への派遣事業」に同行させてもらった。
この交流は、今年3月に第1回交流として、杉並区との間で姉妹都市関係にあるオーストラリア・ウィロビー市のチャッツウッドハイスクール「アンダー15」のジュニアチームが来日したことがきっかけとなっている。相互交流という目的から、杉並少年ラグビースクールを中心とした「東京バーバリアンズ」(杉並少年ラグビースクール9人、東村山ラグビースクール5人、町田ジュニアラグビークラブ6人、コーチ6人で構成)が今回オーストラリアを訪問した。
遠征の狙いは、ラグビー強国オーストラリアのジュニアチームと日本チームとのレベルの差を、選手個々が実際のプレーを通して感じとり、プレーをはじめラグビーにおける様々な面での個々の目標を高めることにあった。ラグビー以外にも、子どもたちは1人もしくは2人ずつに分かれ、ホームステイを経験しながら豪州文化の理解と生きた英語の習得を目的とし、コーチサイドでは、日豪の子どもたちのラグビーへの取り組み方を比較検討し、プレー全般における指導方法の模索、コーチ陣同士の情報交換を実現するという目的があった。
今回の交流は、形には見えない様々な収穫が、「東京バーバリアンズ」とコーチ陣にはあったはずである。重要なのは結果ではなく、「何を感じたのか、何を掴んだのか」ということではないだろうか。強豪であり、プレーにおいては総合力で日本を上回っているオージーチームと対戦したことは、選手たちにはとても大きなプラスであり、自信につながったことは言うまでもない。彼らのプレーが日本国内のジュニア選手に多少なりとも影響することを期待している。そして、コーチ陣の見聞した結果が、日本のラグビーシーンを変えるほどの影響力を持つことを願って止まない。近い将来、「東京バーバリアンズ」の選手が桜のジャージに身を包み国際舞台を駆け回っていることを。
今回の豪州遠征では、スポーツとしてのラグビーに触れるだけではなく、オーストラリアのジュニア選手たちが育った環境、文化にも実際に触れることができた貴重な経験であったと思う。選手たちの「今」を期待するのではなく、「これから」を期待して実施された国際交流事業。スポーツエイドにとって「未来への視点」も必要なのだと、つくづく実感した同行視察であった。
7/25
成田発
7/26
シドニー空港到着後、ウィロビー市チャッツウッドハイスクール(HS)を訪問。ウィロビー市長、国際交流協会委員長、ホームステイ受け入れ家族を交えて歓迎パーティー。(終了後選手達は各ホストファミリーへ)
7/27
終日市内観光
7/28
午後、チャッツウッドHSと試合(試合前、拠点を置くNSW州強豪クラブ、ゴードンラグビークラブのコーチから指導を受ける)
対チャッツウッドHS(チャッツウッドHSラグビー場)前面冬芝0-66(トライ数:0対12)
7/29
ウィロビー市から約200km離れたマーニーのマッジーHSでの試合のため移動
(宿泊は、周囲を農場に囲まれたチャッツウッドHSが所有する施設。布団はなく全員寝袋に包まって就寝)
7/30
マッジーHSと試合
対マッジーHS(マッジーHSラグビー場)前面冬芝
0-20(トライ数:0対4)
7/31
再びウィロビー市に移動(選手たちは各ホストファミリーへ)
8/1
午後、ゴードンRCから招待を受け、試合観戦。
8/2
帰国
SSFスポーツエイド特集2
モンゴルの草原で流鏑馬
〜大日本弓馬会 金子会長に聞く〜
SSFスポーツエイド事業には、スポーツ団体の海外派遣をお手伝いするものもあります。
今回は、この6月にモンゴル人民共和国で、流鏑馬(やぶさめ)を披露した大日本弓馬会のみなさんをご紹介します。神奈川県寒川神社で9月に行われた流鏑馬にお邪魔して、お話を聞きました。
「モンゴルではエルベグドルジ首相や、政府高官、日本の久保田大使なども来賓として、流鏑馬を見に来てくれたんですよ」と武田流流鏑馬の正統師範で、大日本弓馬会会長でもある金子家教さん。
「遠くジンギスカンの昔から伝続的な騎馬民族国家として知られているモンゴルですが、現在馬に乗りながら矢を射る騎射の伝統は途絶えてしまっています。ですから今回はモンゴル人たちと一緒に流鏑馬をするということはありませんでした。モンゴルの国技は乗馬と相撲と弓ですが、乗馬と弓は別々の競技として行われているのです。それでも馬に対する関心はとても高くて、当日は二千人近い人々が『日本のサムライ』を一目見ようと集まりました。モンゴルの人々の前で日本の流鏑馬を見せるのは、鎌倉時代に元が日本に攻めてきた元冠以来七百年ぶりになります。」
騎馬文化の大先輩であるモンゴルの人たちからは、的に矢が当たるたびに盛んに歓声が上がったそうです。
「流鏑馬を一番楽しんでいたのはモンゴルの子供たちだったかもしれませんね。流鏑馬が終わった射手の周りにたくさん集まってきて、弓の引き方を教わっていましたよ。」
M君のスポーツ突撃レポート
第1回――カヌーに挑戦!
どんなスポーツも体験してみなければ、その醍醐味はわからない……ということで始まった新コーナー。挑戦するのはSSFの運動神経レベルの平均をひとりで下げているとウワサの新入社員、M君である。
生涯スポーツとしても楽しめる
今回はSSFスポーツエイド事業の捕和カヌークラブ(槇和泉会長:埼玉県浦和市)主催のカヌー講習会におじゃましている。ところは「彩の国長瀞キヤンプ村」。ここを流れる荒川にカヌーを浮かべて行うのだ。
まずは陸の上で、80人の参加者とともに準備体操。続いてカヌーに乗る上での諸注意、乗降の仕方、漕ぎ方、転覆(沈(チン)する、というのだ)時の続出方法を教わる。ちなみに一人用のカヌーは、カヤックというのだ(初めて知った)。
いよいよカヤックに乗っての練習。なぜか真っ直ぐ進まない、流れのない岸辺近くだというのに、右に右にと曲がって進む。
白状すると、ボートを漕いだ経験で「なんとかなる」と思っていた。甘かった。 まず、カヤックのパドルはオールではなかった。オール2本に対してパドルは1本、しかもブレードというヒレの向きが左右逆。だからパドルを一回転させて右左と漕ぎ分けるというワザが必要になるのだった。
何が何だかわからずに漕いでいると、少し流れのあるところへ出てしまった。まったくコントロールがきかない。あれよあれよという間に沈。すぐに陸に引き上げてもらってカヤックの中の水を抜く。そしてまた川へ。
およそ1時間半、何十度も沈したあと、フラフラしながらも前に進むようになった。こうなると「カヤックって超楽しい!」となるから不思議だ。それにしても、カヤックがこんなに体力のいるものだとは思わなかった。終わってみれば肩と際の関節はガクガク、筋肉はパンパン。でも、そのあとのバーベキューは、うまかったぁ〜。
槇会長は「生涯スポーツとして楽しめるカヤックを、多くの人に知ってもらうためにこの講習会を続けていきたい」と言う。そういえば、初めてカヤックに乗ったという年配の参加者が、「これからもぜひ乗りたいね」と目を輝かせていたっけ。
最後に教訓。カヌーに乗る時は濡れてもいい服装で。チノパンで参加したワタクシに、海水パンツをお貸しくださった浦和カヌークラブのみなさま、多謝!
平成11年度SSFスポーツエイド募集のお知らせ
平成11年度の「SSFスポーツエイド」申請募集を開始します
「日本のスポーツを元気にしよう!!」というスローガンのもと、SSFではこれまで、スポーツ団体の行う振興事業に対する資金援助制度「SSFスポーツエイド」を展開してきました。来年度の申請募集の概要は以下の通り。また申請についてのお問い合わせは、SSF業務課までお気軽にお申し出ください。
対象団体
1. 法人格を有するスポーツ団体(学校法人、医療法人、宗教法人は除く)
2. 任意団体で、規約・会則等があり、団体としての取り決めや経理処理ができるスポーツ団体。
●対象事業
申請するスポーツ団体が主催する事業で1999年(平成11年)4月1日〜2000年(平成12年)3月15日までに行われる大会、教室、講習会、国際交流などのスポーツ事業。
●対象経費
事業の実施に直接必要な経費(事業実施の前日・後日も含む)で、以下の科目で領収証の取得可能なものとします。
1.謝金 2.交通費 3.宿泊費 4.会場賞 5.消耗品費 6.印刷費 7.通信運搬費 3.賃金 9.雑費
※国際交流事業(派遣・招へい)については、交通費(海外渡航費)、宿泊費のみ対象とします。
スポーツエイドの額
国際交流事業(派遣・招へい)の受付限度額については、団体規模に関わらず、100万円を限度とし、補助率は60%以内とします。
申請受付期間
平成11年1月5日(火)から1月30日(土)まで…消印有効
交付の決定
学識者等により構成されるSSFスポーツエイド審査委員会の審査を経て、交付の是非を決定し、結果は文書で各団体に通知します。なお、審査委員会は3月中の開催予定ですので、審査結果の通知は4月上旬になる見込みです。
申請方法
所定の申請用紙に必要事項を記入するか、申請用紙(A4サイズ)に合わせてワープロ等で作成の上ご提出下さい。
お問い合わせ先
笹川スポーツ財団 業務課
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-5-16船舶振興ビル
TEL03-3580-5854 FAX03-3580-5968
E-Mall:ssf-info@ppp.fastnot.or.jp
http://www.ssf.or.jp/ssf
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