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(3) 基本技術を学ぶ上での共通課題とその練習法

小学生に、突き・蹴り・受けの攻撃や防御の基本技術を指導する上で、特に身につけさせたい共通の課題として、A.正しいフォーム、B.正しい力の発揮とリラクセーション、C.極め、D.残心の4つを選んだ。これらは組手や形においても重要な練習課題である。

A. 正しいフォーム

これは、構えのフォームと動きのフォームの双方を含む。特に立ち方、姿勢、視線、技の動作、腰の入れ方がポイントとなる。

立ち方では、足の位置、爪先の方向、両足の縦と横の幅、重心の位置、膝の状態が大切である。

姿勢では、上体が前後左右に傾いたり、緊張して肩が上がったりしないように注意する必要がある。

視線に関しては、初心者は、動作を行っている腕や足の動きに集中しがちであるが、動作をおぼえたら早い段階で視線を正面に向ける。

腰の使い方は、基本での逆突きや組手でのきざみ突き、逆突きで述べる。

[練習法]

技の動作をゆっくり行ったり、技を下記のBの練習法のように1]〜5]に分解したり、鏡の前で練習したりすることが有効である。

B. 正しい力の発揮とリラクセーション(以後力の発揮と略す)

動作をスムーズに行うには、主として働く筋肉(主動筋)に対して、逆方向に作用する筋(拮抗筋)をできるだけ働かせないようにすることが重要である。

突きの伸展では、腕伸筋群の上腕三頭筋が主動筋として働き、腕屈筋群の上腕・上腕二頭筋が拮抗筋として作用している。

[練習法]

まず、a.突き・受けを写真のように1]〜5]に分解して、各動作のポイントを確認する。次に、b.各ポイントを確認しながら、一連の動作をスムーズに行えるようにする。そして、c.それらのポイントを確認しながら、ゆっくりな速度から徐々に速度を上げていく。

 

 

 

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