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第一線では結核対策はPHCに統合される。国、県、町村の各レベルでの監視と管理が重要。

痰の顕微鏡検査は患者の発見と、治療中は2カ月後の菌陰性化の状況の視察と、6〜8カ月後の治療の確認に必須の手段。

途上国でDOTS採用により高い治癒率を上げることが重要であるが、ロシアでは多剤耐性の結核が多いため、DOTSの成績が良くない。対策の重点は、まずDOTSで新患者の治療成績を向上させることに置くべきであり、慢性例の対策は次の段階となる。慢性例対策は、新患者の治癒率が高くなり、二次薬が入手可能であり、専門施設があり、耐性検査ができる検査室が整備されていて、初めて考慮すべきである。

 

8. 国家結核対策と住民参加 石川信克(結核予防会結核研究所)

バングラデシュを例に引きながら。DOTS戦略を推進する際に、地域住民の参加と協力がいかに重要かを説明し、対策の成功には住民参加を積極的に考えるべきことを力説した。

 

9. BCG接種対策 森 亨(結核予防会結核研究所)

まずBCG接種の効果を知る種々の方法を紹介し、BCGは小児の結核、特に結核性髄膜炎や粟粒結核の予防には有効であるが、効果にはかなりのばらつきがあること、それに影響する要因について述べ、再接種については、いまだ適切なデータがないこと、ついで副作用の概況を紹介した。

 

 

 

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