〔10の質問と回答〕
1] DOTSは必要ないという問いにどう答える?-DOTSなしでも治癒率が85%以上なら、DOTSを導入する必要はない。
2] 結核はポリオ、麻疹のように簡単に防げる?-患者発見とその治療を行う体系が、地域の結核感染を防ぐ一番の方法。
3] 治療中の監督は必要?-強力な健康教育がなくては、患者は規則正しい服薬をしない。不規則な服薬は治癒率の低下と薬剤耐性菌の原因となる。
4] 誰が治療を監督する?-患者とアクセスがとれて、患者の了承を得ることができ、説明できる人。
5] 誰かに監督者になってほしいと頼んだとき、「忙しすぎるから」と言われたときは?-NTP(国家結核対策)にプライオリティーを置くべき。もしDOTSを行わないと、もっと忙しくなる。
6] 患者が毎日診療所に通うのは不当?-治療は本人のためでもあるし、地域のためでもある。接触者にうつしてしまう方が不当。
7] 実際うまくいくのか?-遊牧民のようなグループの場合間題がある。初期段階での入院が解決法となるかもしれない。
8] モンゴルは他の国とは違うのでは?-DOTSは違う状況にも流動的に対応できる。結核菌、薬剤、結核患者は世界で共通。
9] DOTSよりよい戦略があるのでは?-あるかもしれないが、DOTSの成果は確認済みなので、DOTSを始めて推進した方がよい。
10] DOTSを行う予算の余裕があるか-最も費用効果の高い戦略。
3) 接触者検診(島尾)
接触者検診の意義と進め方について解説。接触者の検診も重要であるが、現在の最重要課題はDOTSの推進なので、治癒率85%、DOTS方式の患者の割合が70%という目標域に入るまではそれを最重点と考え、到達後に接触者検診の実施に進むべきであるとした。またここで、受診の遅れ、診断の遅れ、全体としての発見の遅れの分析の仕方を紹介。
1] 結核感染の性質
2] 結核感染の最も危険な原因は
3] 診断の遅れを減らすには
4) 結核化学療法の問題点-副作用に重点を置いて(島尾)
短期化学療法でなぜ治るのか、その基礎、従来の古典的化学療法と短期化学療法との比較を行い、肝機能障害に重点を置いて、化学療法実施中に起こりうる副作用について解説。
1] なぜ効果的なのか