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・ BMRCによる短期化学療法の研究のまとめ

・ フランスとイギリスからの上記の補足的な臨床研究

・ なぜ効果的なのかを説明する基礎研究

2] 副作用-肝機能障害に重点を置いて

 

5) 患者発見(島尾)

患者の発見から治癒に至るまでの過程をフローチャートとして示し、各部門の精度を向上させることの重要性を指摘した。また以前ソ連方式を行っていたことを考慮し、集団検診の意義と限界を述べ、有症状者の早期受診と菌検査の重要性を再度強調した。

1] 患者発見とその治療を行う体系についてのフローチャート、NTPを全体的にもっと向上させるために各部門で高い精度を維持することの重要性。

2] 胸部エックス線撮影の役割と限界

3] エックス線と培養による検査が可能であるのに、なぜ喀痰塗抹検査が重要なのか。

4] 様々なスクリーニング法の有効性の評価基準と、他の検査と喀痰検査の比較

 

6) 結核対策従事者中の結核感染の危険(島尾)

1] 結核対策従事者の結核感染の危険

2] 危険を減らす方法:アメリカと日本の経験

 

7) 健康教育とその結核対策における役割-どのようにすると患者が治療を確実に受けるようになるか(島尾、Tsogt)

セミナーで紹介済みのため、各項目についての質疑応答を行った。

BCG接種関連の事項が多かった。生後3か月でB型肝炎の予防接種を行う際にBCGも行うことの可否、BCG接種後の免疫を判定する上でのツベルクリン反応の意義、ほかに、治療前に患者に説明しておく結核の話、結核の早期発見、接触者感染の防御、規則正しい服薬の必要性、規則正しい服薬を行わせる方法など。

 

5. 評価と総括

冒頭に述べたように、結核対策の成功には、対策に政府が責任を持つことが必須である。この点でDr. Tsogtからのセミナー後の報告で、例えばいくつかの県では、対策用の予算が追加され、テレビやラジオを使った広報が無料で行われたり、また、現地で村の長を集めて1日のセミナーを開催したところもあるという。このように、期待どおり政府との協力関係は強まってきていると言えるだろう。

現在、モンゴルの結核対策は、Dr. Tsogtの強力なリーダーシップの下、するべきことをかなり確実に行っているという印象である。

塗抹陽性患者の占める割合は、対策導入前の9.5%(93年)から65.4%(98年)

 

 

 

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