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(4) 経済

1981年以来着実に成長を続けてきたトルコ経済は、94年には実質GDP成長率はマイナス5%と落ち込んだ。これは94年年初に米国債権格付期間がトルコ・リラに対する外債発行信用度のランクを引き下げたのを契機にトルコ・リラが急落、輸入インフレが発生したことに端を発した。トルコ政府は経済再建のため、財政赤字の削減、非効率国有企業の閉鎖、新税の導入などを実施したが、かえって物価の高騰、消費の減退などを招いた。しかし、95年には成長率は6.7%へとプラスに転じ、96年には国内消費の高まりなどにより、7.3%と高成長を達成した。

97年には国家統計局の速報値では8.0%成長を達成した。これは政府目標の5:5%〜6.0% をはるかに上回るものであった。この結果、一人当たりの名目国民所得は3,048ドルで前年比4.1%増加した。97年のGDP成長率を生産部門別に見ると、工業が10.4%、商業が11.2 %とそれぞれ高い成長率を達成し、これら部門の成長が97年の高成長を牽引したことがわかる。

ただ、このような高成長はインフレ高進要因ともなり、97年の消費者物価は前年比85.7%増とインフレ率は依然高止まりのままである。しかし98年に入って、物価上昇率はやや下降線をたどっている。

トルコ通貨リラは慢性的な下落が続いているが、98年5月には1ドル=25万リラを割った。年初からの下落率は20%近く、慢性的な高インフレがリラ売りに拍車をかけている。また、経常収支は経済危機であった94年には26億ドルの黒字であったが、その後の高度経済成長を反映し、95年及び96年にはそれぞれ23億ドル、15億ドルの赤字に再び転落し、リラ安の原因にもなっている。

失業率は94年の7.9%から95年6.6%、96年には5.8%と減少傾向をたどったが、97年には6.9%と再び上昇した。

(WEIS ARCレポート(トルコ)1998年7月号)

 

2. シリア

(1) 主要指標

1] 国名:シリア・アラブ共和国(Syrian Arab Republic)

2] 独立:1946年

3] 政体:共和制

4] 首都:ダマスカス(Damascus)

5] 面積:185,180km2(日本の約半分)

 

 

 

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