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2) 故障検出・排除による完全性の保証

WAAS HEALTHYとされる衛星の数が少なく、それらの衛星のみでは測位演算を行えない場合、GPSのメッセージで健康とされている衛星を測位に加えることが出来る。合計で衛星の数が6個以上あり、衛星配置が故障検出、排除に必要な基準に適合する場合、故障の検出(FD: Fault Dettcilon)を行い、故障を検出すれば、故障衛星を特定し、測位演算から排除(FDE: Fault Detection and Exclusion)して、正常な測位を継続させるようにする。

3) 故障検出による完全性の保証

衛星数が5個以上の場合、故障衛星の検出までを行う。衛星数が5個に満たない場合や、5個以上の場合であっても衛星のみでは条件を満たさない場合には、気圧高度計のデータを用いて故障検出を行う場合もある。

4) 完全性保証なし

完全性を保証出来ず、測位結果を信頼することは出来ないが、測位演算自体は継続させる。これは一般的なGPS受信機の測位と同じものである。

 

4.3.2 飛行モードを加味して設計した測位方法

機上受信機では4.3.1項のMOPSによる完全性の保証の分類を基本に、飛行モード毎に測位に要求される条件や、気圧高度計の有無等を加味して、

1] 精密進入測位

2] 非精密進入測位

3] エンルートターミナル測位

4] 故障検出・排除測位

5] 故障検出測位

6] 気圧高度計を使用した故障検出測位

7] 完全性保証なし測位

の7種の測位方法に分類した。精密進入の測位演算を行うために必要な条件が最も厳しく、完全性保証なしは緩やかである。

いずれのモードで測位を行っているかは、測位結果と併せて外部へ出力される。完全性保証の方法と機上受信機での測位方法分類の関係を表4.3に示す。

表中HPL/VPLWAAS計算、HPL/VPLFD計算はそれぞれが○印の部分で計算されることを示す。

 

4.3.3 測位方法の決定

以下測位方法の決定について記す。

測位演算を行う都度、1]〜7]の順に要求されている条件に現在の衛星の状態が合致しているかをチェックし、最初に条件を満たした測位方法で演算を行う。

 

 

 

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