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環境にやさしい暮らしのアドバイス

 

豊かな環境づ<り大阪府民会議議長…鈴木 胖(すずきゆたか)(摂南大学工学部教授)

聞き手…貝阿彌敏美(かいあみとしみ)(メディアプロデュサー)

 

おおさか府民の5つの共通行動

 

貝阿禰…環境問題と私たちの暮らしというものは身近なようでなかなか遠い存在というか、わかっているようでどうしてすすめていったらいいのかわからないということがあると思うんですが。具体的に一人ひとりの取り組みが必要だということをお話していただきたいと思います。

 

鈴木…環境問題というのは私たち一人ひとりが責任者だということをよく考えていただきたいと思います。これは1990年から95年まで、ちょっとデーターは古いんですが、日本の二酸化炭素の部門別の排出量で産業、家庭、業務(オフィス類)、運輸、その他というものは発電所とか、ごみ焼却場から出てくるものです(図1参照)。あまり比率は変わらないですが、重要なポイントは家庭、オフィス、車で、これらの伸びが問題なんです。90年を100としますと産業はずっと横ばいなんですね。ところが家庭の部分を見ていただきますとずーっと伸びてますね。要するに家庭でのエネルギー消費が伸びた結果、炭酸ガスの排出が増えたと。家庭でこれからの消費が非常に伸びていくと予想され炭酸ガス排出の大きな責任者になる。皆さんが勤めるオフィスでもそうなんですね。総じて産業以外が伸びているところが大変問題だと思いますね。

 

貝阿彌…いわゆる一人ひとりのライフスタイルということになりますよね?

 

鈴木…皆さんの日々の生活を見ていただいても非常にたくさんものを使って、そして使い捨てています。要するに今のライフスタイルそのものがCO2排出の原因になっている、そこが一番のポイントです。

 

貝阿禰……いろいろな家電製品でも相当性能のいいものが出て便利にはなっているんですけれども、具体的にどういう行動を取ればいいのかと言うなかでは、テレビや車のない暮しに戻らなきゃいけないのかっていう風に思うんですけど。

 

鈴木……そういうことではないですね。どれも必要なものですけれども、そういうものを無駄なく使う、そういうことが一番重要なんですね。日々の生活のあり方を今日は反省していただくということでいいんじゃないかと思います。

 

貝阿禰…先生は予てから循環型社会に変革するための取り組みが必要である、とおっしゃっていますが。

 

鈴木……循環というのは、例えば我々の一番身近で言えば、毎日ごみを皆さん出しておられると思うんですけど、ごみの大部分は紙ですよね。その紙をリサイクルして再生された紙、一番多いのはたぶんトイレットペーパーだと思うんですが、そういうものを使うということです。

 

 

 

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