第2セッション「環太平洋の温泉文化と地域づくり」
司会
初めにミーティング部会長、社団法人別府青年会議所理事長、西田陽一よりコーディネイターとパネラーの紹介をします。
西田(別府プロジェクトチーム)
引き続きコーディネイターは山村先生です。韓国から参加したチョウ・キョンドさんは韓国温泉協会の会長で、国際温泉機構連合の副会長。台湾の知本温泉から来たウィンストン・シェンさんは、ホテル・ロイヤル・チーペンスパの副総支配人。ニュージーランドのロトルアから来たのは、ロス・スタンウェイさん。ニュージーランドは別府市とは姉妹都市でもあり、彼はロトルア市役所経済開発の責任者。そしてアメリカ合衆国コロラド州グレンウッドスプリングスから来たシェル・ミッチェルさんは、グレンウッドスプリングス・ホテルの総支配人だ。
第2セッションのテーマは「環太平洋の温泉文化と地域づくり」。第1セッション同様、別府の未来を世界の方から学び、別府、大分の再活性化の行動のきっかけになるように心から願う。
山村教授(コーディネーター)
台湾の知本温泉は残念ながら行ったことがないが、それ以外の3つの温泉には入る機会があった。これからそれを含めて話し合いをしたい。
さっそく韓国の温泉地の現状について、チョウさんお願いします。
Kyung-Do CHO氏(韓国)
私は温泉について日本を通じて学んでいった。韓国の温泉はいつごろから、どのように利用されてきたのか文献で探したので、それを日本の古代の文献と比べてみようと思う。日本も動物によって発見された温泉はあり、地名に熊とか猿が残っている。韓国でも動物による発見説が多くあった。韓国の5つの文献で探したところ、最初に温泉を利用したのは、高句麗のスッチエン・ワン王の時であり、西暦286年に王の弟が温泉を利用した記録がある。日本でも古事記、日本書記の中に、3世紀後半から4世紀に初めに天皇が温泉に入った記録などがあり、ほぼ韓国と同じ時期に温泉を利用したのではないかと思う。また、当時の記録を見ると利用したのは、王様か地位の高い人のようだ。昔は療養やけがの治療のために温泉が使われ、これは日本も同様だ。
韓国の温泉については、今日のコーディネーターである山村教授の「世界の温泉地」や、しらみずはるお氏の「温泉の話」、「おいしい温泉の文化史」の中に書かれている。
韓国の温泉の利用方法は日本と同じで、体をきれいにするアカスリや、大衆浴場として利用されてきたが、いまはシンジンホクの療養・保養温泉施設を参考にした韓国的近代温泉事業施設を設計工事中の温泉地もあるし、すでに施設が完成し、利用されているところもある。次に写真を通じて現在の施設を紹介したい。
これは4000名規模の大衆浴場で、大小48カ所の風呂と露天風呂がある。これはサウナのような施設。これは屋内温泉プール。ここは5000名ぐらいがショーを見ながら温泉に入れる施設だ。この屋外プールで8000名ほどの収容人数がある。これは波プールで、長さが380メートルある。この大浴場は日本の杉乃井ホテルの大浴場とか、指宿観光ホテルの大浴場がモデルになったと思う。