サビオンさんはニュー・ファッションと言われ、有名人を呼んでニュー・ファッションを与えることが重要だと言われた。サイモンズさんに質問したい。私どもの音楽祭はあと2週間後に第1回目を迎えるが、バースの音楽祭は50周年を迎え、盛大にお祝いをされると伺った。バースの2000年の歴史に比べれば、50年は非常に短いが、財政的な面も含めた苦労があったと思う。そこで、いかに市民をイベントと一体化しているのかという点を含めて、知っている範囲で構わないので、苦労話を聞きたい。
Paul SIMONS氏(英国)
これは1日中話し合っても終わらない議論になるかと思うが、たいへん興味深いのは、役所の職員として申し上げるが、あくまでも重要なのは地域の人々だ。地域の人々のニーズに合意できるのなら、行政側はその意見に耳を傾けてなければならないと思う。行政がきちんと市民の欲しているものを理解しなければならない。つまりたくさん議論を行うということだ。
バースでは、ワーキングパーティと呼ばれるものがある。楽しむためのただのパーティーではないのだが、例えば芸術、音楽のグループなどと話をして、欲しているものや目的を聞き、共同で経済的な戦略を建てていくワークショプで、さまざまな業界と相談している。車を何台作るかとか、道路をどれだけ長く作るかという問題より、音楽・芸術の祭典は、極めて私ども経済的な戦略にとって重要な位置を占めている。バースの音楽祭が来年で50年目を迎えるにあたっては、当然ながら様々な問題を乗り越えてきた。イギリスではこの音楽祭は、規模で第2位の地位を占めている。
当初、収支を気にしたが、逆に本当に驚くほど利益を得られた。毎年35万ポンドが財団に配布されて、これはコンピューターの設備投資やスタッフの給料などに使われている。それに加えてアーティストの出演経費もかかる。規模が大きくなってきたが、行政側がそれを管理するのでなく、あくまで助ける存在となっている。けっして一朝一夕にできるような問題ではないので、これが参考なるかわからないが、別府でも国際的なテーマを見つけ、このような事業を進めていって欲しいと思う。
山村教授(コーディネーター)
長時間にあたりパネラーの方、ありがとうございました。別府への提言も含めて、それぞれご当地の温泉の現状、課題を非常に詳しくお話いただいた。参考になることが多かった。これを契機に今後の別府発展のためにつながっていく運動を起こしてほしい。そして世界に誇る大別府が、経済の不況で停滞しているなどど言わせないようなユニークな方策を練って、官民一体になって成功させて欲しい。そうすれば今回のミーティングは意義深いものになると思う。
第1セッション終了