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また最後に、この別府の八湯の温泉による温泉保養効果、イギリスのバース、またはバーデンバーデン。このような長期的な滞在を目的とする温泉保養都市。これも観光だ。文化・スポーツの交流また一村一品運動によるお互いの地域活性化の交流、世界がグローバリゼーションになればなるほどローカリゼーションという地域文化も大きな姿を表すわけである。これからはグローバリゼーションとローカリゼーションが同時に進行していく、グローバルな時代になるわけであるから、ますます観光の概念を広げてサイトシーイングでなくて、人間と人間の交流そのものが新しい観光の価値を見いだすような観光を考えていかなければならない。

広い意味で運輸省の観光部も名前を変えて、人間と人間の交流全体を考えていくような名前として、全各省庁の観光に関係するところを全部統括する局として観光局があって欲しいということを本保課長にも申し上げたところだ。どうかこれから別府における観光をもっと広い意味でやって頂きたいと思う。中国の言葉では観光とはいわない。旅行の旅と遊ぶの逆と書いて、旅遊局(りょゆうきょく)という。中国では観光に、旅することと遊ぶ、学ぶ遊ぶことが含まれており、そう呼んでいるわけだ。従って我々も観光を広い意味で捉えて、これからの21世紀の観光対策に対応していきたいと考えている。私の基本的な考え方を述べてご挨拶に代えさせていただく。

 

司会

続いて、運輸省運輸政策局観光部企画課国際業務室長、内田啓二様。

 

内田氏(運輸省)

運輸省では、国際相互理解の増進という観点から国際観光交流の促進に取り組んでいる。中でも外国人旅行者に地方圏を旅行して頂いて素顔の日本と日本人に触れて頂くことは日本に対する理解を深める上で極めて有効と考えている。この観点から外国人旅行者の地方圏への誘致を積極的に運輸省として推進しているところであり、昨年6月には、そのための新しい法律、略して外客誘致法を制定したところである。今回の別府の交流事業は、このような運輸省の施策の方向に一致するもので、世界有数の温泉地である別府が、温泉という共通の文化を通じて世界各地と交流を深めていくことは、国際交流を通じた地域の活性化の好例になるものと期待している。本事業を通じて国際交流が別府・大分の地に幅広く根づいて、さらに大きく育っていくことを祈念し、私の挨拶とさせて頂く。

 

司会

続いて、別府市長井上信幸様。

 

井上氏(別府市長)

別府は今、新しい町づくりの核となるビーコンプラザに加えて、道路交通網の充実、さらには平成12年の立命館アジア太平洋大学の開学など新たな飛躍・発展への大きな転機を迎えているが、このような時に世界の温泉地との交流の中で新たな温泉地作りを啓発するとともに別府の8つの温泉、八湯が本来持つそれぞれの魅力を再発掘し、広く世界に情報を発信するこのような大会が、開催されることは誠に意義の深いことであり、大会関係者の皆様方の熱意とご努力に深く敬意を表する次第である。

 

 

 

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