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温泉はもともと湯治という目的から出ており、世界的に目的は共通だが、利用の仕方は地域によって随分異なっている。日本でも、最近は外国の異なったやり方等も含めていろんなパターンの試みがなされており、温泉という概念自体がアロマテラピーとか、いろんな意味で広がってもきている。こうしたなかで、これをきっかけにゲストを交えて自由な意見交換など大いに交流し、お互いの向上を図るとともに、これを契機に今後、別府の各団体がこれらの国々の方々と継続的・自立的に国際交流を実現され、別府のさらなる発展に寄与されることを期待している。すでに今までのミーティングでかなりの成果が上がっているので、本ミーティングにも大きな期待を寄せている。

 

司会

本日のご来賓、ゲストの紹介。

大分県知事平松守彦様。運輸省運輸政策局観光部企画課国際業務室長内田啓二様。別府市長井上信幸様。運輸省運輸政策局観光部企画課企画係長江原一太朗様。日本財団海洋船舶部業務課開発企画係長山田吉彦様。地域文化を通じた国際交流支援事業実行委員浅山徳壽様。同じく小林健三様。またこのプロジェクトにご協力いただいています国際観光振興会の皆様をご紹介します。国際観光振興会観光交流部調査役原久生様。府川尚弘様。西川泰久様。岡田文子様。

来賓の挨拶を大分県知事平松守彦様お願いします。

 

平松氏(大分県知事)

このセミナーが始まるにあたり、運輸省運輸政策局本保課長と地元との間で多くの議論がされ、その結果として本日のセミナーが生まれたと私は思っている。挨拶の代わりに私のこれからの観光についての考えを申し上げたいと思う。これまで観光は、英語ではサイトシーイングといい、一種の名所・旧跡を見ることだった。しかし最近ではもっと幅が広くなって、各地域に旅行する、人と人が接触する、英語でいうとツーリズムという言葉が、サイトシーイングに代わる言葉になってきている。従って私は21世紀には、観光というコンセプトはもっと広く、これを一種の交流、人と人の移動までも定義に入るのではないかと思っている。

今回の財団もモビリティと付いている。モービルとは移動だ。これからは観光でなく、人間と人間の交流・移動のすべてが観光という概念で考えられるべき問題であろうと思う。大分県の県庁にも観光課があるが、将来はこの観光課と国際交流課、各種スポーツや文化の交流を担当している課、それから各部において外国にいって勉強する課、これらを全部含めて国際交流部というか、人間移動部というべきか、このように観光を考え直さないと新しい観光のコンセプトは生まれないと考えている。アメリカにアスペンという国際コンベンションシティがある。あらゆる国際会議がアスベンで行われ、この町は国際会議に成り立っている町だ。別府もその意味でこのようなコンベンションホールを作ることにより、1つの国際コンベンション都市になろうと、これもこれからの新しい観光政策の上つの生き方であると思う。また、別府には2000年に立命館アジア太平洋大学が出来る。

この大学によって、アジアから将来は1600名の学生が勉強することになるので、アジア各国の大学、学生との交流、人間の交流、文化の交流が非常に活発に行われることになると思う。これも1つの新しい観光だ。また大分県は2002年には日本と韓国共催のワールドカップサッカーが開かれることによって、世界中のワールドカップサッカーファンが別府にもやってくると思う。このようなスポーツによるツアー、交流も新しい観光であると思う。

 

 

 

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