はじめに
本報告書は、「一般商船による北太平洋の温室効果ガスの観測システムの構築」についての活動成果をとりまとめたものである。
これまでの様々な観測や研究の結果によれば、地球温暖化には、海洋が大きな役割を占めることが明らかにされている。そこで、全地球的に気候変動を監視し、地球温暖化並びにそれに伴って将来起こるであろう様々な現象の予測を精度良く行うためには、大気と海洋間の温室効果ガス、特に二酸化炭素の動態を解明することが重要となっている。そこで本事業では、一般商船搭載用の観測システムを開発し、観測の空白海域である北太平洋の日本から米国西岸までの海域を、全季節を通じて長年にわたる観測値を積み重ね、気候変動解明の一助となることを目的としている。
実施に当たっては、学識経験者、関係団体、関係行政機関の方々からなる「一般商船による北太平洋の温室効果ガスの観測システムの構築委員会」を設け、指導・助言を得ながら推進した。
最後に土器屋委員長はじめ、委員の皆様方ならびにご協力をいただいた多くの皆様方、また船舶の選定、観測装置の搭載、観測に多大なご協力をいただいた(社)日本海難防止協会殿、大阪商船三井船舶(株)殿、エム・オー・シップマネージメント(株)殿、「ありげーたーりばてい」乗組員殿に深く感謝を申し上げる次第である。
平成11年3月
交通エコロジー・モビリティ財団
会長 大庭浩
