2] 鉄道貨物輸送利用促進の方向性
* ダイヤの改善などサービスの向上
定時性が高く、海運と比較して輸送時間が短い鉄道のメリットを最大限に発揮するため、荷主のニーズに対応した鉄道輸送ダイヤの改善や鉄道駅へのアクセスの改善が必要である。
このため、具体的には、ヒアリングに見られる通り、九州での集荷時間が夜となり、到着も早朝に最終消費地への配送が可能となる時間帯とするなど、荷主が利用しやすいダイヤへの改善を図るとともに、ドア・ツー・ドアの輸送時間の短縮や定時性の向上に向けて、鉄道駅周辺における道路網の整備等による交通混雑の解消やドレージ・サービスの充実などが想定される。
* 荷役時間の短縮や輸送力の増強に向けた鉄道輸送基盤の改善
荷主のニーズへの対応力を強化するため、輸送力の増強や荷役時間の短縮などに向けた鉄道輸送基盤の改善が必要である。
このため、具体的には、長大編成化による売れ筋路線・時間帯の輸送力増強、着発線荷役の強化による荷役時間の短縮などが想定される。
また、九州におけるターミナルとしての門司駅の改良など、ターミナル機能の再編による輸送力の増強や輸送時間の短縮などが想定される。
* 海上コンテナ貨物の取扱の強化
輸出入貨物の増大に対応した国内輸送のモーダルシフト推進に向けて、外航航路と鉄道貨物輸送との接続性の向上が求められている。
このため、具体的には、浜小倉における海上コンテナ貨物取扱拠点としての整備など、港湾との連携が容易な鉄道貨物駅における海運との連携に配慮した基盤整備や鉄道貨物駅と外貿コンテナターミナルを結ぶ道路整備などが想定される。