(2) 鉄道貨物輸送の利用促進の課題
*主として海運と比較した時間短縮効果や定時性などをメリットと捉えて、鉄道利用の拡大意向を有する荷主も少なくない。
*神戸-福岡間で海上コンテナの鉄道輸送の実績があるが、今後拡大していくためには、売れ筋時間帯では神戸港駅での荷役施設等の関係で対応余力が十分でないため、長大編成化や昼の時間帯などで営業努力を強化することが必要である。
*鉄道貨物輸送は時間が正確・確実で、関東など遠距離輸送であれば、トラック輸送より短時間で輸送できるが、輸送ルートや積み込み時間、降荷時間等の制約があるため、時間がかかることが課題となっている。
<鉄道利用意向に関する主要意見>
*JR貨物は時間に正確・確実なのは魅力。関東までトラックだと2日かかるところが、JR貨物なら翌日と、納期が短縮され、リードタイム短縮に効果がある。(運送業)
*日本へ寄港する外航船の寄港地が減少し、国内輸送の重要性が高まっている。内航フィーダーとJR貨物ではJRの方が圧倒的に安く活用の余地がある。(物流先進企業)
<海上コンテナ輸送に関する意見>
* 内航船による国内輸送に変わるものとして福岡―神戸間の鉄道輸送の実績がある。しかし神戸駅の旅客との関係で当日には20両のうち半分の10両しか荷主に届けられないため、顧客からみて時間的には内航海運より遅くなる場合も多く、優位性は十分でなく需要に十 分対応できていない。(荷主企業、通運業)
<鉄道輸送基盤の強化に関する意見>
* 今後、門司駅をコンテナ取り扱い駅として集中化することを構想中であり、また増加貨物に対応するために、26両の長大編成化を進める方向で検討中である。(JR貨物)
<ダイヤや利便性に関する意見>
* 荷主のニーズは九州発午前1〜2時、東京着午後7〜8時であるが関西、中京でラッシュ時間と重なるため、旅客と分離できない限り実現は不可能。(JR貨物)
*JR貨物は輸送ルートや積み込み時間、降荷時間等の制約があり、時間短縮メリットは大きくない。また、臨時貨物の料金が高い、貨物取扱駅が少ない、牽引力が不十分といった問題もある。柔軟性、迅速性が課題。(化学工業品製造業)