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2) 来賓挨拶

 

運輸省運輸政策局消費者行政課長

盛山正仁

 

ご紹介いただきました運輸省の盛山と申します。

本日のこのセミナーにお招きいただきましてありがとうございました。先ほど理事長のご挨拶の中にもありましたように、ノンステップバスはやっと普及がはじまったばかりでございます。大分依然から輸入車という形で導入が図られていたわけではございますが、本格的に国産のノンステップバスができて、導入されたのは、つい昨年のことでございまして、まだまだ日本全体のバスの中に占める割合は1%以下の140〜150台というようなところでございますけど、徐々に関係者の方のご努力で導入が進んでいるということは大変喜ばしいことであると思います。

私共の消費者行政課というのは、消費者行政に関して運輸の観点から行っているのですが、たとえば最近新聞等で取り上げられる機会が多くなりましたが、鉄道駅にエレベーターやエスカレーターを設置したり、一定の基準があるわけですが重要な駅につきましては各ホーム、あるいは段差があるところには10年程度でエレベーターやエスカレーターの整備を進めまして、2005年から2010年を目標にできるだけ駅のバリアフリー化を推進しようと、自治体や鉄道事業者の方々とタイアップして駅のバリアフリー化を進めていきたいと思います。また、こうしたハードのエレベーター・エスカレーター以外に、会社の異なるバスでも共通して利用できるバス共通カードや女性のみで運営・運行する東急トランセで試験的に導入されている非接触型のICカードといったものを多くのバスや鉄道などに共通して利用できるようなシステムについても担当しております。

また、皆様が普段利用されておりまして、不具合な点やこう改善しなくてはならないというような意見がありましたら、私共や当セミナーを主催しております交通エコロジー・モビリティ財団にお気軽にお申し出いただければと思います。

さて、バリアフリー化という言葉が広く知られてきており、バリアフリー化をどのように進めていくかというような策がとられてきていますが、ノンステップバスもその一つであり、その前のリフト付バスもその一つでありました。しかしながら、バリアフリーを推進することは大変結構なことと思いますが、今日、私は朝日新聞の投稿を持ってきており、これは車椅子を使用しておられる一級建築士の方のご意見・ご主張ですが、なるほどもっともだなと感じました。それは、バリアフリーということは良いのだが、障害者のために何かしてあげている、やさしいという言葉でやってあげているというのでは困るという意見です。障害者には、車椅子を使用されている方もいれば、目の不自由な方や耳の不自由な方もいらっしゃいます。また、けがをされて一時的に障害を持っている方もいるなど様々な状況があります。そのため、傷害をお持ちの方のみのためだけではなく、利用者全ての方が使いやすくするためにどうするかということを考える必要があるのではないかということも言われております。

言葉の上では、現在、ユニバーサルデザインというのがありますが、これは障害を持つ人だけではなく、誰でもが使いやすいデザインにしましょうということを表す言葉です。私自身、この言葉だけではなく現実にどうしたら国民全てが使用しやすくなるのかということを問題意識を持って考え始めたのは、ごく最近のことでございます。

 

 

 

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