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II. 東京会場講演録(平成10年12月9日(水)於 東京船の科学館)

 

1. 挨拶

 

1) 主催者挨拶

 

交通エコロジー・モビリティ財団理事長

奥西勝

 

ただいまご紹介いただきました交通エコロジーモビリティ財団理事長の奥西でございます。開会にあたり主催者を代表いたしまして、一言ご挨拶申し上げます。

本日は、この「乗り降りらくらくバスセミナー」に全国から多数のご出席を賜り誠にありがとうございます。

当財団は設立後、4年を迎えたばかりでございますが、運輸省のご指導並びに日本財団からの多大なる財政的な支援を受けまして、人と環境に優しい交通システムの実現をめざしまして、高齢者あるいは障害者の皆様の移動の円滑化、また地球環境問題への対応等に関します広報・啓発、調査研究、施設整備への助成等の様々な事業を行っております。

本日開催させていただいておりますこのセミナーは、高齢者・障害者の皆様の移動の円滑化というのものの啓発活動の一環として、昨年に引き続いて開催させていただいているものでございます。

わが国は、2015年には4人に1人が65歳以上の高齢者になるという超高齢社会を迎えると言われておりまして、高齢社会に配慮した人に優しい交通施設の整備が早急に進められる必要がございます。しかし、欧米諸国に比べましてもわが国の実態はまだ立ち後れております。当セミナーのメインテーマでありますノンステップバスにつきましても、わが国におきまして、昨年初めて国産車が登場し、徐々に東京をはじめ各地域で導入されつつある段階でございまして、ヨーロッパで10年前に導入され、今では多いところでは7・8割の普及というのに比べましても、まだ大きな差がございます。

そこで、当財団では、当セミナー開催をはじめとします様々な広報・啓発活動、あるいは車両購入に際する補助等によりましてノンステップバスの普及に努めている次第でございます。

このノンステップバスは、基本的には車椅子利用者の方々が直接乗り降りできることが目的でございますが、さらにその他の健常者の方々にとっても大変利用しやすく、乗降時間が短縮されたり、あるいは平均運行速度が向上するなど交通全体のシステムの向上にも繋がっております。

また、このノンステップバスが普及して、バス利用の拡大が図られますと、地球環境問題への対応という面でも大きな効果があると考えております。

本日のセミナーでは、こうしたノンステップバスに関します諸論点につきまして、まず最初に東京大学の太田先生から基調講演をお願いすることとなっております。続きまして、東京大学の鎌田先生と高橋先生、並びに、運輸省の岩崎課長、東京都の亀井課長、東急バスの矢口課長の皆様方によってパネルディスカッションを行う予定となっております。

是非皆様方におかれましても、この機会に、ノンステップバスに対しまして、より理解を深めていただきまして、その導入を一層促進していただけるとありがたいと思っています。

最後になりましたが、本日のセミナーに対しまして、ご指導・ご支援をいただいております運輸省、日本財団、並びにご出席賜りました講師の先生方、車両展示をいただいた各社、後援をいただいた各団体、その他ご協力いただいた各方面の皆様方に対しまして、改めて御礼申し上げますとともに、今後のさらなるご指導・ご支援をお願いいたしまして、簡単ではございますが、開会の挨拶とさせていただきます。

どうもありがとうございました。

 

 

 

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