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2. 基調講演

 

オムニバスタウン“はままつ”とバスの多様性について

―これからのまちづくりと交通―

 

埼玉大学工学部建設工学科助教授

久保田尚

 

1) まちづくりとバス

 

(1) ブレイクスルーとトレードオフ

 

今、ご紹介頂きました埼玉大学の久保田と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

私のお話しのテーマが「オムニバスタウンはままつとバスの多様性について」というお話しでございまして、埼玉にいる人間がどうして浜松のお話しをするか、とお考えの方もいらっしゃると思いますが、理由は2つございまして、1つは今ご紹介頂きましたように、浜松市の皆さんと一緒に浜松市中心市街地、あるいは公共交通をどうしたら良いか、あるいは駐車場全体とか、交通全体をどうしたら良いか、ということを勉強させて頂いております。そのご縁があるということと。もう1つは、私の個人的な気持ちでもあるのですが、私は学生時代から何度もこの浜松市にお邪魔しておりまして、都市計画とか交通とか勉強する者にとっては、一種の聖地というような考え方をしておりまして、これから私もお話ししますし、それから市や遠州鉄道の方も後ほどご紹介頂くと思いますけど、実にありとあらゆる取り組みをされてきた、非常にユニークな取り組みをされてきた所であります。そういう所に私自身、学生時代から惚れ込んで通ってきている。そういうご縁で今回このようなタイトルでお話しをさせて頂く訳でございます。

さて、今日のセミナーのタイトル自体はこの上(看板)にもございますけども、ノンステップバスを中心として、“誰にでも乗りやすい、誰でも使いやすい公共交通をどうしていけば良いか”そういうテーマだと思います。とりわけ今ご挨拶にもありましたけど、ノンステップバスをどう普及させていけばよいかということがテーマになっていると存じます。

これも私の個人的な見解かもしれませんけども、ノンステップバスを普及させるという取り組みは、かなり急速な勢いで普及してきていると感じます。私自身もノンステップバスに乗る機会が結構増えてきました。実は私が通っています大学の学バスも、つい最近ノンステップバスが導入されまして、学生が非常に喜んでおります。車椅子で通っている学生がいますが、これも明らかにノンステップバスを選んで利用している、これは勿論そうなっております。私としてはいつか、ノンステップバスを使ったことによって今まで自転車で長距離を通っていた学生とか、場合によっては自動車で通っていた学生が幾分かでもノンステップバスに転換する。いわば、バスに転換するというような効果が出てくるんじゃないかと私は期待していまして、いつかそういうことを調べてみたいと思っています。

いずれにしろ、今急速にノンステップバスの普及が図られております。それも今この上の看板にありますが、いろんな機関の方が鋭意努力されております。特に今日このセミナーを主催されております交通エコロジー・モビリティ財団さん、後援をされております各省庁の皆さん、この努力・貢献の大きさは、私も誠に頭の下がる思いでございます。

 

 

 

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