日本財団 図書館


当年度から国の方でも導入に際しての助成制度が充実してまいりましたが、また将来的にはノンステップバスを標準仕様として一般化し、コストの低減を図るべきだというふうに思います。

一方、雪道ではうまく走れないとか、山道では底を擦るとか、いろいろ認識の不十分な点もあるようですけれど、本日はこのあたりについても、どんな所でも結構いけそうだというような認識を深めて頂いて、逆にこれを導入するには何をするべきかと、もうちょっと積極的に考えるようになって帰って頂ければ幸いでございます。

ノンステップバスがフルにその効用を発揮するには、当然バスを導入するだけではなく、ハード・ソフト両面で周辺環境の整備が必要でございます。例えば、バス停の再整備、歩道の高さの調整、駐車違反をもっとなくす、いろいろございます。しかし、それはバスを整備した後、順次そういったことも整えていけば良いのであって、そういったこと全てを一遍にやらないといけないから、当面ノンステップバスの導入を見合わせようというような話は、本末転倒ではないかと思われます。まずはどんどん導入して仕様の標準化が図られて、コストが下がるという所を期待したいと思います。

ところで今日的課題といたしまして、環境への配慮も重要な課題となっております。ノンステップバスでもこれは例外ではございませんで、従来、バスにおきましては、低床化と環境対応化とは相反すると言われてまいりましたけれども、ようやくそのへんの技術開発も徐々になされてきております。

これはもうちょっと初めに述べなければならなかった話でございますが、本セミナーで大変お世話になっております浜松は、オムニバスタウン指定第1号といたしまして、公共交通機関を軸とした「人・まち・環境にやさしい都市交通」、これに取り組んでおられるところでございます。これからの交通は人にやさしいだけではなくて、まちづくり、環境、こういったものを含めた形で考えていく必要があるんじゃないかというふうに思われます。このあたりも本日のテーマとして論じられるというふうに思われますので、ご期待下さい。

重ねてのお知らせとなりますが、本日は地上のモールの所に、大型バスだけじゃなく、中型バスですとか、その他の福祉車両も時間を延長して展示してございますので、セミナー終了後も時間の許す限りこの機会にお試し頂ければと思います。

また、遠州鉄道様のご協力でノンステップバスの試乗会もやっております。実際に乗ってみてさらに理解を深めて頂ければと思います。

それから蛇足ですが、12月9日には東京でもノンステップバスの普及セミナーを開催する計画でございます。こちらでは若干趣向を変えまして、もう少し技術的に掘り下げた話もできるんじゃないかというふうに思われます。合わせて参考にして頂ければと思います。

最後になりましたが、本セミナーは、地元の浜松市、遠州鉄道をはじめ、講師の先生方、日本財団、運輸省、メーカーの皆様及び後援を頂いた各団体の方々など、多方面の方々のご協力により開催することができました。併せて御礼申し上げ、開会の挨拶とさせて頂きます。

それでは、本日はよろしくお願いいたします。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION