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ロ 降下式乗込装置の設置

これまで、降下式乗込装置の設置は、通達によりRORO旅客船にのみ要求されていたが、水面上の高さ4.5m以上の場所から救命いかだ等に乗り込む旅客船についても設置を義務付けることとする。

ハ 条約関係要件

SOLAS条約の96年改正の取込に伴って、内航旅客船に適用する主な要件は以下のとおりである。

1]数助艇、降下式乗込装置の作業要員のためのイマーション・スーツ又は耐暴露服の備え付け(限定近海船を含む近海以遠を航行する旅客船)

2]救命胴衣灯の設置(限定近海船を含む近海以遠を航行する旅客船)

3]一回の動作につき一個ずつ投下できるような救命いかだの積付け

4]一般非常警報発令時の娯楽音響設備の自動遮断

5]乗艇場所と降下式乗込装置のプラットフォームの間の通信等。

(3)RORO旅客船

今次改正においては、条約の要件を考慮しつつ通達の内容について以下のとおり見直し、省令において規定することとする。

1]救命いかだは、条約同様、自動復原救命いかだ又は両面救命いかだとする。

なお、これにより、いかだの反転による使用不能が回避されること及びいかだ積み付け要件(1回の動作で1個ずつ投下)によりいかだ同士の衝突による損傷が回避され、また、いかだそのものの作動不良も考えにくいことから、これまでの通達によるいかだの115%搭載については緩和することとする。一方、退船試験の結果からすると、特に急速な傾斜等により退船時の混乱のおそれがあるRORO旅客船について、いかだの収容能力を一般旅客船同様に最大搭載人員の100%とすることは危険性が高いため、沿海区域以遠を航行する内航RORO旅客船については最大搭載人員の105%を収容できる数の救命いかだを備え付けることとする。ただし、総トン数1000トン未満の内航RORO旅客船については、旅客区域の構造が比較的簡易であり、脱出経路を見失う等の退船時の混乱が少ないと考えられることから、いかだの数量を100%とする。

2]降下式乗込装置は、これまでどおり設置することとし、一般旅客船も含め水面上の高さ4.5m以上の位置から救命いかだに乗り込む船舶について適用する。

 

 

 

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