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ロ 救命いかだの故障に対する備え付け数量

救命設備のうち、損傷の可能性があり、かつその場合に著しく危険性を増大させるものに膨脹式救命いかだが挙げられる。これについて、のべ約10,000台のいかだの整備時の投下試験における作動不良状況を調査したところ、膨脹不良は0.5%未満であり、反転膨脹は3%未満であった。膨脹式救命いかだの信頼性は高いと考えられる。

 

5.船舶救命設備規則の改正

以上を踏まえ、運輸省においては、内航旅客船について本年7月1日をもって以下のとおり船舶救命設備の改正を予定している。

(1)救命設備の仕様・性能

個々の設備の仕様・性能要件については、原則として国際基準に一致させることとする。現在、国内独自に定めている救命設備として、沿海船及び漁船用の第2種膨脹式救命いかだがあるが、対象船舶の多くが任意に第1種膨脹式救命いかだを搭載している等特に国内独自に定める必要性が薄くなっており、今回廃止することとする。

(2)旅客船一般

内航旅客船の救命設備の設置要件については、これまで条約に比して緩和された要件が課されており、今次改正において特に大きな改正はないが、以下の点について見直しを行う。

イ 救命艇、救命いかだの艤装品

救命艇及び救命いかだの艤装品については、これまで、外航船、内航船の別、いかだの種別、航行区域によって細かく分かれており、同一の海域を航行する船舶であっても異なる艤装品が搭載されている。

今次改正においては、救命艇等の艤装品について陸岸からの距離(救助時間)に重点をおき、航行区域毎に統一した艤装品を備えることとして基準の合理化を図る。

限定近海船については、旅客船を含めることとし、応急医療具、飲料水(量を緩和する。)、遭難信号設備(うち落下傘付信号等の火工品について、数量を2分の1とする。)を除き、現行の沿海船と同程度まで緩和することとする。また、沿海以内の船舶については、火工品の数量を2分の1とする。

 

 

 

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