2. 新構造基準の策定
2.1 新構造基準の策定方針
新構造基準の策定にあたり、以下の方針のもとに検討を行った。
・新構造基準を適用することとなるいわゆるJG船(総トン数20トン以上の内航船が中心)を主な検討対象として念頭に置いて検討を行う。
・現在活用されている種々の基準及び規格を十分に考慮して新構造基準を策定するとともに、今後の技術の進展に伴い新たに活用可能と判断された基準及び規格を柔軟に取り込めるような体系とする。
・個々の構造部材寸法について、技術的な検討を行い、必要に応じて見直しを行う。
2.2 現行規則の検討
現在、鋼船の構造基準として用いられている規則としては、主に以下のものがある。
・小型鋼船構造基準(運輸省通達)
・小型油タンカーの構造基準(同)
・自動車渡船構造基準(同)
・日本海事協会(NK)鋼船規則CS編(長さ90m未満の船舶が対象)
・NK鋼船規則C編(長さ90m以上の船舶が対象)
新構造基準策定に際しては、これらの基準をベースとすることとし、各種調査を行った。
(1) アンケート調査
現状の規則について造船技術者がどのように感じているか、また規則に対してどのような要望があるのかを把握するため、(社)日本造船工業会、(社)日本中型造船工業会及び(財)日本小型船舶工業会を通じ、造船所の設計担当技術者にアンケート調査を行った。主な質問事項及び結果を以下に示す。
Q NKCS編を使用したことがありますか?
回答数 75
YES 62(83%)
NO 13(17%)