2]主管庁が承認した排ガス洗浄装置がエンジンに備えられていること。
(この場合、窒素酸化物排出量は1]の規制値以下に抑えられることとなる。)
3]主管庁が承認したその他の同等の方法が採用されていること。
(3)検査の方法等
IMOが作成するコードに検査の手続き、計測方法の詳細、NOx排出量の計算方法の詳細等が定められている。NOx排出量の計測は原則として陸上の工場で実施され、陸上で検査を受けた場合は、旗国の主管庁によりEIAPP証書という予備証書が発給されることとなっている。なお、陸上で検査を受けないエンジンについては、海上において陸上の試験の要件をすべて満たす試験を実施することとなっている。
(4)その他
NOxの排出性能に影響を与える可能性のある部分の調整又は部品の交換について、調整又は交換の許容範囲を示した文書(テクニカル・ファイル)の船上備え付けが義務付けられている。
5. 硫黄酸化物に対する規制
(1)世界一律の規制
船舶の使用する燃料の硫黄分は、4.5%を超えてはならない。
(2)地域規制
(a)船舶からのSOxの排出について特別の義務的な方法を採用することにより、SOxによる大気汚染及びその陸域及び海域に対する悪影響を防止、削減及び制御することが要求される海域をSOx制御海域として指定する。
(b)SOx制御海域においては、硫黄酸化物について特別に厳しい規制が実施され、以下の条件のうち少なくとも一つを満足するよう要求される。
1]燃料の硫黄分が1.5%を超えないこと。
2]主機関及び補機関からのSOxの総排出量を、6.0g/kWh以下に低減するため、主管庁が承認した排ガス洗浄装置が用いられていること。(IMOは、承認のための指針を作成する。)
3]主管庁が承認した、その他の同等の効果を有する技術的方法が用いられていること。(IMOは、承認のための指針を作成する。)
(c)「SOx制御海域」として「バルト海」が指定されている。それ以外の海域については、「SOx制御海域の指定のための基準及び手続き」に従ってIMOが指定する。
6. 揮発性有機化合物に対する規制
(1)締約国は自国の管轄下にある港湾又は係留施設において、タンカーからの揮発性有機化合物の排出を規制することができる。ただし、荷役のシステムが非メタン系の揮発性有機化合物の安全保持又は安全な荷役が行える場合にあっては、ガスキャリアーのみが適用対象となる。